今日は「Bar見聞録」です。
異業種交流会で仲良くなった伊集院さんからmailで、たまには飲みに行きますか、というお誘いがありました。
たまさかscheduleが合った事よりお付き合いする事にしました。
伊集院さんはwhiskey通でかなりの数の稀覯酒(手に入りにくいお酒)をcollectionしており、その蘊蓄はなかなかのものです。私のお気に入りの洋食屋で近況をまじえた雑談をし、その後タクシーで伊集院さんが一押しするbarにいきました。場所はとある下町のbarでまさに「雛にも稀」という風情のお店です。

京や
このbarは一昨年オープンしたお店で、20年間銀座の名店を渡り歩いたマスターが作るカクテルは、銀座で飲み慣れた地元のセレブマンションの住民を日々喜ばせているそうです。ちなみにマスターは浅草っ子でした。
歳はまだ42歳なのですが、このお店のマスターは偏屈というか狷介固陋というか狷介孤高(自分の意志をかたくなに守って、他と協調しない)の人なのです。
例えば、一見さんから「何かお勧めのwhiskeyは」とか「何かお勧めのcocktailは」聞かれると「初めての人にお勧めなんて言われてもわかりませんよ」と答えていると言われていました。
理由は「今日はおめでたい予定があるのですけれど、突然の雨になっちゃって、用意していた服は晴れ用です。そこで、今日の雨に似合うような服はありませんか、と一度も行ったことがない洋服屋さんに行って尋ねる様なものです。普通は答えられませんよね。もし答えられたとするならば、それはある意味その答えは正しくはありませんよね」と莞爾していわれていました。
仰っていることは正論です。
しか〜しそれはサービスの対価を戴いているお客にいうべき言葉ではありません。
お金を頂いていなければそれもありなのでしょうが・・・

閑話休題おはなしはもどりまして
Whiskeyは香りが分らなくなるので食事を取りながら飲むのはあまり宜しくないそうです。
従いましてストレートで飲みます。勿論whiskeyを嗜んだ後のチェイサーは、重厚な舌触りや圧倒的な香気に覆い包まれた口内に水が入ることで、清涼感を際立たせ、香味の余韻を増幅させるので宜しいのだそうです。
要は香りが損なう恐れがあるので水は入れないで飲む事がwhiskeyの基本的な飲み方です。
ところが日本では加水し且食事をとりながら飲むという世界標準からしますと邪道の飲み方が一般的です。
しか〜しその事が沢山のtry and errorを生み、結果として現在のJapanese whiskeyはScotch whiskey、Irish whiskey、American whiskey、Canadian whiskeyから首一つ抜けたtop brandになったのです。

麦を発芽(malt)させ発芽後に乾燥焙煎します。発芽の目的は澱粉の異性化、酵素の生産などの酵素を造り出す事によって醸造の過程で澱粉を糖に変換することができるからです。
乾燥の目的は発芽を止めるためと、貯蔵目的です。乾燥するためには、ピート(泥炭)を燃やし、その熱と香りで麦芽を燻します。そしてこの過程で技術を選び、磨き、根付かせることができた時、その香りがwhiskeyの個性となるのです。whiskeyは香りが命なのです。
付け加えますとwhiskeyは同じ素材、同じ手順で作ったとしても決して同じ味にはならないそうです。
なかなか難しいのです。その為にブレンダーさんがいるのです。

このお店にはニッカの80年vintage(年代物の逸品)が置いてありますが、これはmiracleなのだそうです。
よく巷間で言われている「天使の分け前(Angel's share)」は熟成中に水分・アルコール分が蒸発し、最終的な製造量が目減りすることなのですが、その減衰率は2〜3%/年なのです。かりに3%としますと3%×80年=240%ですから、80年経過しますとliquidは蒸発して無くなっているはずなのに、なぜか蒸発せずに残っているのでmiracleと言われている所以なのだそうです。
余談ですが「天使の分け前」が減る分に何が残るかと申せば樫樽からにじみ出てくる香りと味を豊かにする草や木の香りの成分(エラブ酸・バリニシ酸等)なのだそうです。だからvintageは極上の味になるのです。

このような蘊蓄を肴に2時間ほどこのbarにいました。
私は現在停酒中なのでドライジンジャエールでお付き合いしていました。
この間に伊集院さんの好きなスモーキーフレバーの強いwhiskeyの香りも楽しんでいました。
個人的にこのようなauthenticなbarは、価格が高くてfull bottleで買えないとか、新たなcollectionをする前の試飲とかをするところなのでしょうね。若しくはたまには路線を替えて飲んでみるかとか、なにやら稀覯本の収集家のサロン的な場所なのでしょう。
要はあまり余計な事は言わずにお酒と向き合う場所なのでしょう。
ちなみに私は一滴もwhiskeyは飲んでいませんが、独特のスモーキーフレバーにやられて次の日は疑似二日酔いでした。夕方まで頭痛がしていました。
まさか香りで酔うとは初体験でもあり驚きでもありました。
こんな日もあります・・・


怖いのかな・・・



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今日は土砂降りの飯田橋に出没です。
たまにはタイ料理でもタイりょうに食べるかと洒落てみました。
今日のお店は「ティーヌン」さんです。

住所: 東京都新宿区神楽河岸1-1 飯田橋セントラルプラザ ラムラ1F
電話:03-5225-2882
定休日:無休

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お店の外観です。

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店内の雰囲気です

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メニューです。

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今日のオーダー「カパオ&グリーンカレー」926円です。
待つこと2分で着膳です。
タイだけに早いたいであります。

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見た目普通の「カパオ&グリーンカレー」です。
まずは玉子です。私の好きな半熟加減になっています。
鶏挽肉のスパイシーバジルの炒めのせご飯は平板の味付けで特筆するものはありません。
グリーンカレーは辛さ控え目で日本人好みの味付けになっていますがこれまた特筆するものはありません。
う〜ん、早さ含めてのコスパ良しのお店ですか。
店員さんも日本人ですからもしかしましたら大企業のチェーン店さんかもしれませんね、ハイ。

それでは(^_-)