今日は「伊勢崎町カレー屋奇譚」の話です。
私が日吉に通っていた頃の話です。土曜の二限が休講になったので、たまにはハマで飯食べようぜ、との友達の誘い言葉にのって伊勢崎町まで足を伸ばしました。伊勢崎町はイセザキモールあたりで食べ物屋を捜したのです。学生ですから可処分所得も限られており、安い店をさがしていました。
当時のイセザキモールもやはりセレブな方が集うところで、学生の価格帯のお店にはなかなかめぐりあうことはできません。しばらく歩くとカレーライス@400という看板があり、これは安いということでそのお店に入りました。
お店に入りますと、誰もいません。二人とも歩きつかれたので暫くその店の薄暗いカウンターのストールで寛(くつろ)いでいました。しばらくしてというか、時間的には15分位たってから、お店のご主人がでてきました。
私達は、カレーライスが食べたいんだけど、といいますと、このご主人は、ゴメンナサイネ、そのカレーは売り切れです、とのことです。私は、まだ十二時前なのに売り切れなんですか、今日はそんなにお客が入ったんですか、と聞けば、ないものはないんだよ、と突っ慳貪(つっけんどん)に返します。なんだか嫌な予感がして腰が引けてきたのですが、それでも、何ができるのですか、と聞きかえしますと、ご主人は、カツカレーならできますよ、と応えます。しかしそれは@1,500もするので、私が逡巡していると、友達は、それではそれをお願いします、と間髪いれずに頼みました。私といえば値段でヘジリ、それなら“カツカレー”の“カツ”抜きのやつを下さい、といいます。するとご主人は、このルーは“カツカレー”専用のルーなので、それだけだと味わいが違ってしまうのでお出しできません、というのです。私は、おかしくないですか、“カツカレー”専用のルーが常備されていて、通常のカレーがこの時間で品切れなんて意図的としか思えないですよ、といいますと、お兄さん、ナンダイうちの店にイチャモン付けにきたの、それともカレーを食べに来たの、どっちなのハッキリしてよ、と凄みます。
空腹だったことも相俟って私もキレてきました、学生相手にこんな絵図書いて、何が面白いの、と言い返しますと、友達が私の脇腹を小突いて、馬鹿だな、そんなことしていたらこのオッサンの手の内に入るだけだぞ、この手のオッサンには、ハイハイと聞いてすぐに立ち去るのが人生の達人だぜ、と小声で諭します。そういわれれば、そうだなと思いなおし、致し方なく、私も@1,500のカツカレーを頼んだのです。
後日学校でこの話をすると、このお店は伊勢崎町で有名な“ぼったくりカレー屋さん”らしいのです、よって地元の人は誰も入らず、私達みたいな一見さんが引っかかるとのことです。付け加えますと、すぐに店内に出てこないのは、お腹を空かせて仕方なく“カツカレー”を頼まさせる作戦とか…ここまで徹底すればお見事です。

今日のお店は有楽町「中本ラーメン」さんです。私このお店学生の頃から「直久」さんと勘違いしていたことが今日分かりました。このお店は実は「中本」さんだったのですね(笑)

住所: 東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル B1F
電話:非公開
定休:土曜日・日曜日・休日

中本1
お店の外観です。

中本2
店内の雰囲気です。このお店は昭和の爆笑王「林家三平」が常連だったお店で、長男の「正蔵」も親子二代に亘って通っています。しかしとてもキタナイお店です、こういうのはレトロと呼んではいけないと思うのですが…

中本3
今日のオーダーは「盛合せラーメン」@780です。「盛合せラーメン」とはラーメンに茹で野菜と生卵がのっているものです。ちなみに生卵はゆで卵にも代えられます。
麺はうどんのように太い麺です、見たかんじ濃い目の醤油スープです。スープはお約束の熱々ではありません。脂身の少ないチャーシューですがなかなかイケます、大量にのっているメンマはコリポリして美味しいです。そしてこの店のトレードマークの三つ葉がのっています。味ですか、私の寝不足の体調のせいもあるのですが、とても不味いです。まずスープの味がしません、極めてのっぺりとした味です。そして太い麺ですが、モソモソして弾力がありません、これはいただけませんね。
数多くのOld fanの常連さんに支えられて流行っているお店ですが、やはりラーメンは好き好きだと思わされました…

それでは(^_-)