今日は「トランプの米国」です。
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まずは米国の選挙制度です。
日本の首相が、ほとんどの国民の関係ないところで選ばれるのと違って、アメリカ大統領は、形は間接投票ですが「国民が選ぶ」という点が大きく違います。
ただ、アメリカ大統領選の面白いところは、絶対的な得票数だけで決まらないところです。
では、どのような決め方をするのかといいますと、アメリカの大半の州では「勝者独占方式」を採用していて、州ごとに得票数で上回った候補者が、その州の選挙人の票を独占(総取り)できるのです。
例えば、人口10万人に1人の選挙人がいるとしましょう。
その場合、
A州:1000万人
B州:500万人
C州:100万人
の人口に対して選挙人の数は
A州:100人
B州:50人
C州:10人
となります。
そして州ごとの本選挙で、民主党候補と共和党候補の選挙人の投票結果が以下の通りになったとしましょう。
A州:民主党候補60票、共和党候補40票
B州:民主党候補10票、共和党候補40票
C州:民主党候補0票、共和党候補10票
単純な選挙人の得票数で考えると、民主党候補70票、共和党候補90票で共和党の勝利となりますが、「勝者独占方式」では、州ごとに勝利した党候補が得票数を総取りできるので、結果は以下の通りになります。
A州:民主党候補100票、共和党候補0票
B州:民主党候補0票、共和党候補50票
C州:民主党候補0票、共和党候補10票
勝者独占方式で改めて計算してみると、民主党候補100票、共和党候補60票で民主党の勝利となります。
つまり、州ごとの選挙では一票でも多くの票を得られれば、その州に割当てられた選挙人の得票数を全部獲得できるという仕組みになっているので、単純に得票数で勝っていたとしても、勝利独占方式を採用することで勝利が覆ってしまうことがあるのです。

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今回の選挙でも得票数ではヒラリーがトランプを上回っていましたが、選挙人獲得数ではトランプがヒラリーを上回っており、トランプの勝利が確定したのです。
得票数で対立候補を下回った候補が選挙人獲得数により大統領に指名されるのは、ジョージ・W・ブッシュがアル・ゴアを破った2000年アメリカ合衆国大統領選挙以来16年ぶりとなるそうです。
これは独裁政権を創らないアメリカのセーフティーネットだったのですが、こと2016年にはこのセーフティーネットが裏目にでてしまったのですね。

今回のトランプの勝利の要因を考えてみます。
一つには、世界中で自由に貿易をして、移民も受け入れて、グローバリゼーションを進めていきましょう、とやってきた結果が、今までずっとアメリカの地方にいた労働者の人の利益になっておらず、逆に見捨てられているという実感が「アンチ民主党」につながったのだと思います。
そういう人たちにからしますと、メディアに登場してくるセレブ、シリコンバレーの起業家みたいな人たちが「トランプは経済ナショナリストだ。早晩不景気になる」と叫んだところで「あなた方は金持ちじゃないか。私たち貧乏人の気持ちなんかわからないよね」としか映らないのです。
結局、貧しくなっていった普通の人たちの意見を吸い上げられてなかったのですね。
そうした中で上述のとおりグローバリズムの恩恵を受けられず、かえってその影響で貧しくなっていった地方の工場労働者たちを大量に創ってしまったのです。
リベラル政党が貧しい人を救えなかった事により、民主党の主要な支持基盤を失ってしまったのです。
これが民主党の大失策だったのです。
要は対立する政党がこけた事と中長期的な政策では共和党も民主党も大きくは変わらない事から消去法でトランプに票が流れたのです。

もう一つは、世界的に格差が広がっていることです。
巨大な格差とは、7人に1人が貧困層で、その反対で超富裕層に富が集まり続けています。
もっとも裕福な62人と下位36億人の資産が同じだそうです。
現在の世界の人口が約70億人ちょっとなので、世界の人口の半数の人と62人の資産が同じという驚愕な内容でした。実際にその36億人の平均資産が5万円、62人の平均資産が3兆円という膨大な差です。
米国も同様ですが、米国はその差がさらに顕著なのであります。
ここからうかがえるのは過度のリベラリズムが没落する大量の中間層をつくり、その悲観する中間層が社会を閉じようとする反リベラリズムの潮流を作り、そこにフォーカスしたポピュリズムの覇者であるトランプが勝利したというのが最大の要因であります。
日本でも平成26年には年収300万円以下の人口が全給与所得者の4割を占めているのです。
年収300万円以下の人口は40.9%です。
つまり日本の労働人口の40.9%は年間の収入が300万円以下であるという結果なのです。
日本の代表的な理由はやはり不況です。
要は現状のトップヘビーの状態を変えるのは難しいにしてもお金持ちから気持ちよくお金をはきだせるような税制やインセンティブを確立しないと景気回復は難しいのでしょうね。

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1月20日に行われたトランプの大統領就任式典とその演説は、マーケットにとっては大きな材料にはしがたい内容でした。「彼も大統領になれば変わる」という一部の見方を「間違いですよ」と宣言するように選挙戦の時と同じような主張を、いつものジェスチャーで展開していました。
拳を振り上げる大統領就任演説を、私は初めて見ました。
CNNに出演していたあるコメンテーターは、「今回の就任演説は、共和党全国大会の時と似ている」と言っていましたが、多くのアメリカ人が持った印象は「まだ選挙戦を戦っているようだ」というものでした。
ISIS、ポピュリズム、ナショナリズム、ロシアや中国の台頭、移民の問題等が山積している今の世界においては、選挙戦の時のよう「資本家が悪いのだ」というようなワンメッセージで語るには、限界があります。
いずれにしましても今後のトランプの動静については大いなる注視が必要であります。
参考文献:HOW MATCH あなたの悩みと幸せを金額にすると、歩叶コラム、PRESIDENT Online、日本経済新聞、BuzzFeed


RAF'S PERFECT GIRLFRIEND



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今日は亀戸に出没です。
下町の甘味が食べたくてこのお店に入りました。
今日のお店は「船橋屋」亀戸支店さんです。

住所: 東京都新宿区神楽坂1-11 1F
電話:03-5579-8782
定休日:日曜日

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お店の外観です。

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店内の雰囲気です。

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メニューです。

本日のオーダー「貝柱とろろ山菜にゅう麺」@875円です。
「船橋屋」さんは文化2年(1805年)、初代勘助が亀戸天神参道に創業しました。
出身地の地名をとり、屋号を「船橋屋」と称しました。
以降五代目まで個人経営だったのですが昭和43年6月に株式会社になり、最新店舗の東京スカイツリーソラマチ店を含み15店舗を有す企業となったのです。
資本金20百万円、従業員180名。
社長の渡辺雅司さんは、昭和39年、船橋屋の長男として生まれました。
立教大学経済学部卒業後都市銀行に7年間勤務したのちに船橋屋入社し今に至るです。
趣味はボクシング・瞑想・蛍鑑賞・ルアーフィッシングと多種多様であります。
血液型はB型で二児の父であります。

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待つこと8分で「貝柱とろろ山菜にゅう麺」の到着です。
見た目、雅です。

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まずは「貝柱とろろ山菜にゅう麺」から頂きました。
胡麻の香りが和風だしで際立ちます。
山芋とろろのフワフワが口の中でとろけます。
貝柱のコリコリ感がたまりませんね。
これは美味しいです。
イケますよ。

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「まぜご飯」は梅の香りがたかく、少し硬めの炊き加減ご飯には梅の酸味が良く合います。
これも美味しいです。

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お楽しみは最後にとっておきます。
くず餅です。
秘伝の黒糖蜜と香ばしいきな粉をくず餅に加えることで、このくず餅が生まれ変わります。
何百回、何千回食べようとこのくず餅の美味しさは鐵板です。
大満足の下町甘味であります。
コスパも良くプチ満足のランチでした。

それでは(^_-)