下町っ子の上の空

好奇心が人一倍強く、見栄っ張りで、お人好しの下町っ子のBlogです。 ウンチクネタがくどいのがたまに傷ですが、お気軽にお立ち寄り下さい。

東京に暮らす

神田 翔山亭

今日は「挨拶」です。
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同じ身分の女性あるいは男性が顔を合わせた時の挨拶はもっと複雑で、外国人には理解不可能です。
二人は喜び合って身を深くかがめて挨拶の言葉をつぶやきます。
お辞儀は次第に浅くなり、お互いに相手の眼を見て、いつまでお辞儀を続けるか決めます。
それからもう一度深く身をかがめます。
そしてまた目を見つめ合って、品よくお辞儀を終え、暗黙のうちに挨拶の儀式は終了します。このことから、両人とも相手に自分より深いお辞儀をさせようと思っていると考えてはいけません。
その逆なのです。日本人の礼儀作法は、事物の体系の中で自分が取るに足らない存在であることを強調します。
相手と比べて自分はつまらない人間であるから、自分の方が相手より深くお辞儀をしなくてはいけないのです。
そうはいっても、お辞儀をしている間に考古学でいう地質時代が過ぎて、自分たちが化石になってしまっては困るというのであれば、どこかでお辞儀を止めなくてはなりません。
そこでちらっと相手の眼を見るのです。
キャサリン・サンソム「東京に暮らす」大久保美春 訳より転載

最近、お辞儀の習慣が廃れてきています。
これは大人が傲慢(ごうまん)になって頭をさげなくなってきており、それを見て育った若者はお礼もお詫びもできなくなってきています。
お辞儀が美しくできますと、人からもそれなりの常識がある者として見なされます。
私は8年間も剣道をやっていたので、そのお辞儀は芸術的であり且つ美しいのとお褒めの言葉を皆様よりいただいています、ハイ。

ミセスサンソムさんの軽妙でユーモアに富む日本人の挨拶の紹介は、私が分厚い鉛の壺に封じ込めた邪悪な記憶をいとも簡単に甦えらせたのです。
昔の日本人は、ミセスサンソムさんのご紹介の通り挨拶が長かったのです。
いつ終わるかわからない不毛のこの儀式は一体全体何だったのでしょうか。
子供だった私は、いつも長い父と伯父の挨拶を度最初から最後まで一度だけ聞いたことがありました。
その内容は衝撃的で、まさにドレファソラシド♪だったのです。
わかりやすく申しますとミ(身)がないのです。
最後の方はお互い話す内容がなくなったので、ただ口でもごもご言ってお辞儀を交互に繰り返しているだけでした。
ただこの不毛の儀式を先に止めてしまうと、その後に、なんて礼儀知らずの奴だ、と蔑まれていましたので、昭和のチキンレースと申しても過言はありません。
子供心にも全くもって呆れた儀式でした。
さすがに最近はなくなりましたが、昔の正月には街中のいたるところで見かけられたものです。
しか〜しこの間神田の小料理屋さんでこの亡霊をみました。
中小企業の社長さんとおぼしきお二人が正月なので昼間から一杯やっていました。
支払いの際に、私が払う、いやいや貴方には払わせられない。ここは私がもちます、とのやり取りを数回繰り返して、最後はその支払いの取り合いでその請求明細を真っ二つにしてしまいました。結局薬局放送局で大きい半割れをもぎ取った方が、まるで鬼の首を取ったかのように意気揚々と支払いに向かいました。
個人的は懐かしくもありましたが、この不可思議な儀式はいち早く化石化していただきたいと思う今日この頃であります。


イパネマの娘 By Taxi Saudade



今日は神田に出没です。
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新年なので「薮蕎麦」さん長蛇の列です。一昨年の大晦日は行列客の為に深夜二時まで営業をしていたのは、神田っ子の心意気を世間にしめしたものであります。

私は多忙なのでこのような行列には加わらず、前からの候補店に向かいました。
今日のお店は「神楽坂翔山亭」 神田淡路町店さんです。

住所: 東京都千代田区神田淡路町2-8-5 プロステック淡路町 1F
電話:03-3526-6777
定休日:不定休

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お店の外観です。

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店内の雰囲気です。

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メニューです。

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4名で来ますとと2割引きになります。

今日のオーダー「カルビ重」1,580円です。
なんですかここの受付の女性のHさん、私の顔をみるなり予約していますか、と聞きますので、特に・・・、と言いましたら面倒くさそうに手にもったインカムで、ウオークイン1人はいります。受け入れできますか、ですと。
時間は13時をだいぶ回っています。混んでいるわけないじゃないですか。
さらに支払いの際は1,580円でしたので、80円ありますか、と今度は唐突且つ不仕付けに質問してきました。
なんで客がこのお店の小銭協力をしなければならないのですか。
私はこのお店の社員でもありません。大変無礼な対応と断じさせていただきます。

待つこと12分で「カルビ重」の到着です。
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見た目重厚です。

それでは実食です。
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肉は美味しいですが、メニューに書いてある通り噛みごたえのある肉です。
ボクサーではありませんので顎の強化のために1,580円の対価を払ったのではありません。
美味しい昼食をいただきたかったのです。
ご飯、お肉、お椀すべて温(ぬる)いし加えてご飯は硬くて美味しくありません。
しいて申せばタレは美味しゅうございました。

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デザートの和菓子は食べるところがほとんどありません。
特筆するのは珈琲が美味しかっただけです。

ここは肉のないスキヤキみたいなお店です。
まさに、たいしたもんだよ、蛙のションベン見上げたもんだよ、屋根屋のふんどし、って感じの昼食でした、ハイ。

それでは(^_-)

交通会館 西田

今日は「気遣い」です。
日 本人は自分のつまらない話をしては相手に悪いと考え、どんなに悲しい時でもそれには一切触れず、一般的な世間話しかしません。
以前、ある日本人の紳士が私 に「どんな宝物をお持ちですか。御主人様は日本に長く住んでいらっしゃるから、色々な美術品を収集なされたでしょう」と尋ねたことがありました。
私は主人が収集したもののほとんどが、1923年の大震災で焼けてしまったとこぼしました。
私が、あれも、これも、それも・・・・・・と嘆くのを、紳士は同情しながら聞いてくれました。
続いて私が「その時は東京にいらっしゃいましたか、失われたものはありませんか」と尋ねました。
紳士は微笑を浮かべながら「妻子をなくしました」と答えました。私は愕然とし、懸命に紳士を慰めようとしましたが、彼の方は、私たちが楽しい話をしているかのように微笑み続けました。
キャサリン・サンソム「東京に暮らす」大久保美春 訳より転載

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キャサリンさんは、昭和の初め頃に東京に暮らしていたイギリス人です。
彼女はこのあとで、紳士は自分の悲しみよりも動揺する私を気づかって微笑んでいてくれたのだと書いています。
さらに、日本人は会話の中で自由にふるまうことができないけれど、それは優しさや気づかいのためなのだ、と書かれていました。
個人的には昔の日本人紳士の謙虚さにあらためて刮目させられました。

つい先だってポッドキャストで以下のような人生相談を聞きました。
埼玉在住の友人から誰が亡くなったのかが不明な喪中葉書が届きました。
気になってメールをしたところ、ごめん、話したくない、ごめんね、との返信がありました。
どうしたら良いでしょうか、という「悩み相談」です。

リスナーさん達から回答は以下のようなものです。

だいたい亡くなった人が誰なのかを聞くのは相手からしますと、人の不幸は蜜の味、と思われるでしょう。
ですので触れない方がよいでしょう。

親友の誰が亡くなった事を知る必要があるのかな。
親友が話したくないことを知らなければならないのかな。
知らないと親友との関係がこわれてしまうのかな。
親友が話したくなったら聞いてやればよいのではないのかな。

知りたい気持ちはわかりますが、今はそっとしておくべきです。
こういう事はしつこくしますと逆効果です。
いつか話してくれる日まで待ちましょう。
でも、誰が亡くなったのかを教えたくないのならそのような喪中葉書をださないでよ、というのも本音ではあります。
聞いても教えてくれないのなら気遣い無用でしょう。

いかがですか?
個人的には、そっとしておくべきでしょう。
言いたくなったら聞いてやれば良いと思います。

昔の言葉で「惻隠の情」というものがあります。
人が困っているのを見て、自分のことのように心を痛めるような、自他一如(いちにょ)の心もちの事を言います。
昨今、グローバル化の進展にともないこの「惻隠の情」が無くなりかけています。
特に英語が国際言語になりつつありますのでアングロサクソンの論理がこの隘路化を促進しています。
すなわちYES、NOをはっきり言わないといけない様な風潮になっているのです。
ビジネスの世界では仕方ありませんが、スーツを脱いでもそれを励行している方が多くなっています。
いかがなものでしょうか。
翻ってみますれば、「惻隠の情」は混迷の人類を救う鍵でもあります。
この美風を若い世代に伝えていくのが私たちの使命ではないかと思う今日この頃です。


今日は有楽町に出没です。
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このお店は数回行っていますが考えるところがあり取り上げませんでした。
まぁそれ程深い思い込みでもない事が最近分かりましたので今日ご紹介します。
今日のお店は季節料理「西田」さんです。

住所: 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 B1F
電話:03-3216-5429
定休日:日曜・祝日

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お店の外観です。

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メニューです。

今日のオーダー「若どり一口かつ定食」600円です。
このお店は多分兄弟と思われる老齢な二人が切り回しています。
このお店は厨房から店外が見えるらしく
「さあどうぞ!入ってください!」
「おひとりさま!すぐ入れますから!どうぞ!どうぞ!」と厨房の大将が発声しますと、まったく店外がみえないはずのホールの大将が唱和します。
結構大音量の発声ですから迫力があり、ブラックホールのように客を引き込みます。

待つこと1分で沢庵とキザミ昆布の突き出しが到着しました。
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この突き出しが絶妙にご飯に合うのです。

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待つこと2分でご飯とお味噌汁が到着しました。

待つこと3分で「若どり一口かつ」が到着しました。
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この「若どり一口かつ」の総数は7個です。
見た目美味しそうです。

それでは実食です。
柔らかい柔らかい一口かつです。
こんなにふわふわとした「若どり一口かつ」を食べたことはありません。
美味しいです。

マヨラーな私は途中でマヨネーズをお願いしましたところ快く出していただきました。
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これで味がさらにふくよかになりました。
美味しいです。
口福の神様がここに降臨されました。
大満足なランチです。
皆さまお分かりの様に私がこのお店を取り上げなかった理由はコスパ最高のお店だからです。
この味で600円です。
教えたくなくなる気持ちはご理解いただけますよね・・・

それでは(^_-)
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