今日は「士魂商才 其の弐」です。
前日のブログで、その自信で自らの鼻を膨らせていたのでした、と書きましたものの問題は実演です。
これが最大の難題なのです。
社長のようにテープから流れてきた英語に合わせて流暢な同時通訳をする事はできるわけがありません。
その当時、英語の話せる人間は少なかったのです。
私の入学した大学の英語の試験は難しかったので、普通の学生に比べれば英語の読み書きはできるものの話すのは無理で、まして同時通訳なんかできるのであればこんなしがない英会話教材の実演販売のアルバイトなぞするわけもありません。

実は、このバイトのオリエンテーションの時に同時通訳のくだりは、できる人はそれをした方が効果はありますが、仮にできなくても問題はありません、との説明がありました。
それでも説明会の終了後には、会社から練習用のテープが渡されたのでした。
早速、持ち帰ったテープで家で練習したのですが、できないものはできないのです。
そこで私は夜も寝ないで昼寝して灰色の脳細胞を総動員して妙案を考えだしたのでした。
答えは、浅草の啖呵売にありました。
啖呵売の中に英語のテープを売っていた人がいました。
彼らも同時通訳を演じていました。
テキヤさんですから英語などできるわけがありません。
なのに何故できたのでしょうか?
わかりました。
はなからテープの内容を暗記しておけばいいのです。
で〜も1時間の英語を覚えるのは物理的にはできても、実際は無理です。
そこで私が考えたのは、あるパラグラフを暗記しておいて、そのパラグラフから始まるようにテープのカウンター番号を記憶しておけば、何度やっても同じパラグラフからの英語が始まるのです。
これならいとも簡単に同時通訳ができるのです。

p4036505
社長が口開けの1台を売ったので、後は任せたよ、と言い残して他の大学に転戦しにいったので、一橋大学スタッフのみが残りました。一橋大学スタッフと申しても売り子の私と金銭の受け渡しをする山脇女子大の女学生の△△さんのたった2名なのです。
デビュー戦です。
先ほどの社長の成功例を模倣する事にしました。
大人しそうな人間を狙うのです。
誰かよさげな人間はいないかなぁと探していたら、いかにもという新入学生がきたので、声掛けをしました。
私も社長と同じような同時通訳を演じてみたのですが、初めてなので不慣れな事もあり、妙にたどたどしかったので、いかにも苦労しながら通訳しているという雰囲気がかえって醸しだされたのです。
そこで気を良くした私は、私は東京の三流大学に通っていますが、英会話はこの教材で覚えたのです。
見事、超難関の一橋大学に入学されたのなら、英会話は必要ですよね。
如何ですか、と聞きますと、どうしようかなぁ、と逡巡していましたので、それでは一緒に同時通訳をしてみましょう、と言ってやらせようとしましたら、私にはできない。無理、と言いましたので、三流大学の私にもできるのですから、超難関大学の一橋大学の新入学生ならできて当たり前でしょう。
よしんば同時通訳ができないとしても、英会話くらいはできないと恥ずかしいですよね、と言いますと、それは言えるよな、と答えましたので、今日は、一橋さんのみの特典でこの値札から5%のお買得価格になっています。
いかがですか、と畳み掛けますと、偶然にもそのくらいの手持はあるなぁ、と財布の中身をのぞきながらグズグズしていたので、お金があるのなら買いましょうよ。これも何かのご縁です。
△△さん伝票書いて、と言いましたら、買わなければいけないの、と聞かれたので、もう伝票は書いちゃいました。キャンセルするならこの書類に返品理由を書いて、その下に貴方の名前を記名捺印してください。
三文判はダメですから、と思い付きのブラフをかましましたら、私の見立てた通り気が弱い学生だったので、キャンセルするの面倒くさいから買うわ、と言ってくれたので、ありがとうございました、とキメました。
それと呼応するかのように△△さんも、ありがとうございました。
お客様ならすぐに英語なんか話せますよ、とヨイショしたので満更でもないような顔でブースを立ち去りました。
私は幸先よく1セットの成約を決めたのです。
気の弱い学生が去った後、▲▲さんってモノ売るのうまいわね。本当に学生なの?と聞かれたので、君の学校のそばの大学の三年生ですよ。ちなみに今日が初仕事です、と言えば、嘘!妙に慣れているじゃないの、と聞かれたので、オヤジが商売しているのでモノの売り買いの基本は知っているだけです。
そして今使った強引な売り方は地元浅草のテキヤのセールスを真似しただけですよ、と言えば、浅草っ子なの〜!シブいわね、と言われたので、まあね、と返したのでした。
この日の一橋大学のデビュー戦では5セットの販売がかないました。

初日の一橋大学は運もあったみたいで、その後他の大学での成績はだいたい3台前後でした。
当時のエリート学生の財布の紐は意外と固かったのです。
加えて色々な事が分ってきました。
グダグダと質問する学生は買わないのが分ってきたので、暇でない限り相手にしませんでした。
これは今このように思い返しても良い気付きでした。
加えて必要以上に説明しない事です。
ひたすら聞き手に回って、相手の不安や疑問を吐き出せて、確信を与え続ける事です。
一番の決め手は、すぐに伝票を書いて、すぐに教材を渡す、これにつきました。
これで相手の逡巡を瞬時に消し去っていたのでした。
そうは言いながらも、一橋大学で見せたような剛腕セールスの手法は2度と使う事はなく、彼らのプライドをひたすらくすぐり「買う決心」のお手伝いをする事に徹したのです。
これにより結果がついてきました。
モノを売るのってこんなにも楽しい事なのかとまさに全身の毛穴が開くかのような感動に身を包まれたのです。

20150403_01

20110404_1_1
いよいよ最終戦です。
最後の販売地は日本女子大学でした。女子大学はおおよそのコツが分ってきて、かつて東京女子大学で5セット売った実績もあり勢いチカラコブが入ります。
私の個人成績は累計で15台になり現在トップです。
マノスの社長からは20台売ったら別途インセンティブを出すと言われたので、山脇の△△さんには、インセンティブもらったらポンギのDISCOに踊りに行こう。勿論、俺のオゴリだよ、と言ったものですから、彼女の眼もキットしまったのでした。
今日は文学部のオリエンテーションの後で流れてきた学生が多く英会話の教材に人が良く集まったのです。
口開けの仏文に入学した学生には、英会話に加えて仏蘭西語会話も売りつけていきないり2台です。
日本女子大学と言えば、朝の連続テレビ小説「あさが来た 」の広岡朝子さんが作った大学であり、後に「赤毛のアン」の翻訳者で同じく朝の連ドラ「「花子とアン」の村岡花子さんの卒業した大学ですから、英語に興味のある女子学生は多かったのです。
短い2時間でしたが、△△さんとの連携もよく最終的には6台売って目標はクリアしたのでした。
笑い話で、一人の女学生が英語で話しかけてきたので、自分はオーストラリア英語なので貴女の英語は聞き取れない、と胡麻化していたのですが、それでも食い下がってきたので、△△さんが、今、忙しいので、詳しい事は本社に聞いてください、とマノス商会のパンフレットを渡して、あたかも犬を追い払うかのように、シッシと立ち去らしてくれたのには助かりました。もう少しで英語が話せないのがバレるところでした。

13718534_1033111003446720_959184765442920395_n
累計販売数は21台で13名いる男子バイトの中ではダントツの1位でした。
マノスの社長から、大学を卒業したら内にこないか、と誘われましたが、それは鄭重にお断りしました。
当然のことながら後日行われた打ち上げ式の後には、山脇の△△さんとか他にも仲良くなったバイト仲間とポンギのDISCOで弾けようと思っていましたら、マノスの社長がアメリカ留学時代に向こうのDISCOではブイブイ言わせていたみたいで、結局のところ社長の財布でバイト全員がキサナドゥ(当時の超有名DISCO)に行くことになり、そこで夜通し踊り明かしました。
ちなみにマノスの社長は長野の高校卒ではなく早稲田の政経卒のエリートでしたが、アメリカ留学の時に遊び過ぎて、日本に帰ってきたら年を食いすぎていて就職ができず、今のマノス商会を立ち上げて今日に至るみたいな方だったのでした
個人的には、士魂はなかったけれど商才があるのがわかり、大満足なバイトでした。
まさに「太陽がいっぱい」の21歳の春だったのです。


当時、踊っていた曲です。



IMG_8504

IMG_8505

IMG_8506
今日は池袋に出没です。
なぜかく今日は海老フライが食べたい気分です。
池袋で洋食といえばこのお店しかありません。
今日のお店は「タカセ」さんです。

住所: 東京都豊島区東池袋1-1-4 3F
電話:03-3971-0211
定休日:無休

IMG_8508
お店の外観です。

IMG_8510
店内の雰囲気です。

IMG_8509
メニューです。

今日のオーダー「エビフライ&ライス」@1,100+@180=1,280円です。
IMG_8512
待つこと1分でテーブルセットの到着です。

IMG_8515
待つこと7分で「エビフライ&ライス」の到着です。
あれっ、火が入りすぎていますね。

IMG_8513

IMG_8514
気を取りなおして実食です。
やはり・・・
火が入りすぎてfried too muchですね。
衣が硬いではないですか、その影響をモロ受けした中のエビ君も硬いのです。
食べられますけれど、普段の揚げ物はもっと美味しいでしょう。
弘法も筆の誤り、のエビフライでした。
お店の名誉の為に申しますと、初めての事であります。

それでは(^_-)