今日は「魚籃坂の変」です
奥様と日曜日の都内を駆け回りました。
その前半戦です。
当初は、庭園美術館に行く予定だったのですが、駐車場が混んでいました。
そこで駐車場に困らない八芳園に宗旨変えをしました。
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八芳園とは
一、長谷観光(創業者の会社)はどの店も八開きで八の日に開業している
二、この庭は裏・表なく八方から眺めて美しい
三、「ハッポー、ハッポー」は非常に語韻がよい
四、エンは男らしく結びがある
という事から命名されたのです。
元は江戸時代初期、徳川家康の側臣の一人である、大久保彦左衛門の下屋敷であったと言われています。
樹齢数百年の樹木や渡り鳥の姿等を見ることのできる、自然との調和を大切に守ってきた日本庭園があるので有名です。

大久保彦左衛門
大久保彦左衛門といえば、彦左衛門の墓は白金の立行寺にあり学生時代に大学から近かった事もありよく訪れた記憶があります。数ある往訪歴の中で彦左衛門の墓に行った帰りにある事件が起こりました。
それは・・・
母と妹を乗せて妹の受験する高校の下見に行った日の出来事です。
その日は急に母が妹の受ける高校を見たいということであたふたと出かけたので財布を忘れたのです。
これが後で致命傷になるのですが。
最初に三田にある高校を見て、そして大久保彦左衛門の墓を見て、品川にある高校(山口百恵が卒業生)を見た帰りに魚籃坂の信号がある横断歩道にさしかかりました。
今は場所が移転してしまったのですが、その当時はその横断歩道の脇になぜか交番があったのです。
母とくだらない話をしながら運転していたせいか信号が黄色から赤信号に変わってしまい、行くか行くまいかを躊躇しました。結局薬局放送局で、信号無視で捕まるのは嫌だな、と思う気持ちが湧き上がり急ブレーキを踏んで止まりました。
交番の前で急ブレーキを踏めばその大きなきしみ音は否応もなく交番内にいる警官の耳に入ります。
中から警官がやってきて私に尋問をしたのです、すみません。今の急ブレーキの音からすると、お兄さん、だいぶスピード出していたんじゃない。失敬、免許証を拝見させてください。あらあらお兄さんそれと停止線超えていますね。これって停止線オーバーですので切符切りますよ、と多分この警官はお暇だったのでしょう。
グダグダとからんできました。私は懐中にある免許書を探しながら、停止線オーバーで切符切るなんて聞いた事がないですよ、と言いながら顔色が青ざめていったのです。
そうなのです。慌てて出かけたので財布を忘れたのですが、その忘れた財布の中に免許書が入っていたのです。
所謂「免許不携帯」で運転していたのでした。
どうしましょうとしばらく悩みましたが、正直に、慌てて家を出たので免許書を忘れました。
決して無免許ではありません。不携帯です。と言いましたら、停止線オーバーはさておき、この状態では運転はさせられません、と言いましたら脇から母が、家が近いので取りにいかせます。この年老いた母親(この時は年老いいてはいない)に免じて許してください、とひれ伏すように哀願したのです。
すると私も根っからの下町っ子ですから調子よく、20〜30分もあれば戻りますから、と有無も言わさず交番の脇に車を停めて、加えて、人質で母と妹をおいて行きますので宜しくお願いします、と言って脱兎の如くその場から立ち去ったのでした。
マジかよ。そんなので捕まえるか、とブツブツ言いながら、地下鉄の人となったのでした。

家に帰れば父が、お母さんはどこに行った、と聞かれたので、俺のせいで魚籃坂交番で人質になっているよ、と言えば、なんでそうなったんだ、と怒りますので、これからもらいさげに行ってくるので、詳しい事は帰ってから話すよ、と突き放すように財布を探して再度地下鉄の人になったのです。
家から魚籃坂交番は近くて遠かったのです。
それでも人質にさせている負い目から走りに走り60分で交番の前までたどりつきました。
すると交番の中から、笑い声がしています。
何があったんだ、とのぞくと、完璧に母とお巡りさんが打ち解けていて、みかんの皮をむきながらどうでもいい話で盛り上がっていたのです。
母は汗だくでゼイゼイ言っている私を見届けて、あら早かったわね、ですと。
お巡りさんからみかんをもらったよ。お前もどうだい。このお巡りさんって秋田の人だって、浅野さんと同郷なんだってさぁ。いい人なんだよ、と笑いながら私に語りかけています。何なんだ、このホームドラマみたいな雰囲気は・・・
お巡りさんは、私の姿を見ると、ご苦労さん、大変だったね、と笑いながら、免許書忘れちゃだめじゃない。
で〜もいいお母さんだね、と言いながら、気をつけて帰ってください、と車中の人になった私たちを見送ってくれたのです。

魚籃坂を通るたびにこのくそいまいましい出来事を思い出すのと交番でお巡りさんと打ち解けていた母の事を思い出します。本当に人から好かれる優しい母でした。
登場人物に名を連ねている私の妹ですが下見をした高校には入れてもらえず、都立の高校に入ったのでした。
あの時は待たせてごめんね・・・


何で寸止めなのでしょうか?



今日のお店は八芳園内にある「槐樹 (えんじゅ)」さんです。
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ここは結婚式場を併設というか正しくは結婚式場に和風割烹を併設しており結婚を挙げたカップルに色々なところで遭遇しました。
ちなみに私たちも八芳園を結婚式場の候補にしていたのですが、結局父親が、長男なので一流ホテルでということになり、結局薬局放送局でホテルニューオータニになったのです。
他の弟妹も前官礼遇というか右顧左眄というかホテルニューオータニになったのでした。

住所: 東京都港区白金台1-1-1 八芳園内
電話:03-3443-3125
定休日:夏期・年末年始

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お店の外観です。

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店内の雰囲気です。

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メニューです。

今日のオーダー
私は「とろろそば御膳」@2,614円
奥様は「料庭のばらちし膳」@2,934円
です。

待つこと17分で共に供されました。
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まずは私の「とろろそば御膳」です。
これは、自家製豆腐、サラダ、湯葉刺し、小鉢、とろろそば、くず餅で構成されています。
それでは実食です。
自家製豆腐は巧みな味です。
味噌田楽焼きは失敗作です。
臭みが残っています。
それ以外は上品な味わいで結構です。
特にそばは香りが高く美味しかったですね。

そして奥様の「料庭のばらちし膳」です。
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見た目宝石箱です。
これは、ちらしで頂く、巻き寿司で頂く、出汁茶漬けで頂く、の三度美味しく食べられる優れものです。
これは流石に割烹料理なので過不足なく且つ外連味なく旨く纏めています。
個人的には出汁茶漬けに供されていたかき揚が揚げ場の腕の良さなのか、ふっくらと揚がっていて高評価です。

総じてこのようなお店は味プラス雰囲気ですのでこのような上品な味わいになるのでしょう。
お財布には厳しいものの「たまに食べるならこんなお店」なのでしょうか・・・

それでは(^_-)