今日は「それをお金で買いますか?」の話です。 
大型遊園地(テーマパーク)ではお目当ての乗り物の前に長蛇の列ができる。割増料金で行列に並ばず優先的に乗れたりするのだが、先日の東京の独演会の桂文珍師、「お金があれば割り込めちゃうんだからすごいですねえ」ってな調子で観客をおおいに沸かせていた。  

師も読んだのだと思う。マイケル・サンデル米ハーバート大教授の「それをお金で買いますか」には「割り込み権」をはじめ今お金で売り買いできる珍物がこれでもかと並ぶ。絶滅にひんしたサイを撃つ権利。赤の他人の生命保険。高校は生徒が本を1冊読めば2ドル支払い、肥満の社員が痩せれば報奨金を出す。

それでも最近のフランスの話には驚いた。注文のとき「お願いします」と言い添えた客のコーヒー代を、邦貨で20円ほど割り引くカフェが出始めたそうだ。わずかな額とはいえ、ついに「常識」までが売りものである。インタ―ネットの仮想空間に浸りきりでまひした他人への心遣いを取り戻す手伝い、という趣旨らしい。

割り込み話で沸く独演会場に出し抜けに着メロが響いた。「そのうちよけいにお金を払えばいちばん前の席で携帯で話せるようになるんでしょうかねえ」。文珍師匠のアドリブに一層盛り上がった客席で考える。無礼傲慢身勝手無精に勇気礼節謙遜努力。まさかまさかのうちに、何にでも値がついてしまうかもしれない、と。
日本経済新聞「春秋」より転載


サンデル教授の主張は実に明快です。市場取引にふさわしくないものが「経済的効率性」の名のもとにカネでやりとりされていると言っています。それらを金銭で取引すれば、人間行動の本来の価値が変質し、腐敗するとサンデル教授は考えています。
たとえば、あるテーマパークでは追加料金を払えば待ち行列の先頭に割り込めますが、それは「行列に並ぶ」という規範を貶(おとし)めることにもなります。贈り物を「現金化」すれば欲しいものが買えて「効率的」ですが、友情は腐敗するといっていますがこれは少し乱暴な指摘だと思います。そして、「生命保険の自由市場」は「命で賭けをすること」であり、「道徳的気まずさ」を生むかもしれないとも指摘しています。
本書の中では他にも、「ダフ屋行為はなぜ悪いのか」「成績が良い子どもにお金を払うべきか否か」「絶滅の危機に瀕したクロサイを撃つ権利が売買されているという事実」など様々なお金と道徳的価値について問題提起しています。「お金で買えないものがある」というマスターカード理論に対しての反証と実情の提示の数々は、天の邪鬼の極大化のように思います。

個人的には幼い時にみた加山雄三さん名を一世にしらしめた「若大将」シリーズでは、主人公の若大将はありとあらゆるserviceお金に替えることに努めていました。
一例をあげれば、授業の代返であったり、他の運動部の助っ人であったり、ラブレターの代筆であったり、試験の予想問題であったり、当時の大学生の”あったらいいね”というserviceを色々と考えだしては実行し、自分の所属する運動部の運営費用を捻出していたのです。
少しサンデル教授の論ずるところとは少しディスクレ(discrepancy)になるのかもしれませんが、これは当らずとも遠からずだと思います。

要は道徳的な観点での考察も必要なのでしょうが、この「それをお金で買いますか?」ということは本質的にはそれが市場経済(取引)に沿っているかどうかです。
serviceの効用が悪いものは市場からretireさせられ、良いものはcome to stayするという単純な法則に支配されるだけです。
そこから先の領域は人間の良識のbiasによって可変していくものなので過度の憂慮は無用であると思います。

ちなみに私が「それをお金で買いますか?」というものが一つだけあります。
それは混んでいる電車の座席の交替の権利です。
満員の電車の中で座っている人達は皆、胸に「△△駅で降ります。100円」という札を胸に付けています。
それを利用者は自分の降車駅との兼ね合いで自分の合った権利を買うのです。これがあればとても便利です。
疲れて帰宅した時に立って帰るのは嫌なものです。ましてすぐに降りるだろうと思って前に立っていたらなかなか降りず、気がついたら自分の降車駅近くでその人が降りると言う事はたまにあります。
電鉄会社は、このシステムをいち早く構築してnet配信してくれたらいいのになぁ、と立って帰宅するときはいつも思っています。

Sometimes we really go out of our way for a good laugh, here's a best of their most crazy complex and spectacular pranks



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今日は初台に出没です。
今日は例によって昼食時間帯にお昼をとりそこねたので毎度お馴染みのlate lunchです。
この日はすごく寒くかったのでラーメンと決め打ちです。
ということで今日のお店は行列のラーメン店「風雲児」さんです。

住所: 東京都渋谷区代々木2-14-3 北斗第一ビルB1F
電話番号:03-6413-8480
定休日:日曜、祝日

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お店の外観です。

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メニューです。

風雲児
芸能界やホテル支配人を経てラーメン店主となった「風雲児」店主 三宅重行さんです。
イイ男ですね。

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今日のオーダー「らーめん」@700円です。
断酒してから何故かラーメンを食べなくなりました。
以前は美味しいラーメン屋さんは必ずcheck and goだったのですが、それを最近は全くしていません。
従ってこのお店が超人気の大行列ラ―メン店だったということも知らずに入店したのでした。
入店したらくりびつで店内には10人以上の行列ができているではありませんか(笑)

食券を買ってから18分で着席し、23分で着丼です。
それにしても店主を始めとしたstaffの対応は素晴らしいですね。
下手な高級restaurantより抜きんでています。

麺はストレート中太細麺です。
スープは鶏風味です。スープの約束の熱々は充分にたもたれています。
スープそのものは粘度が高くこってりしていますがそれほどくどくはありません
魚粉の香りが味わいを倍加しています。
うん、これはおいしいですね。
接客も良いし味もよい、一年間ラーメン屋さん訪問をさぼっていたのにこのような素晴らしいお店に遭遇するとはついています(笑)

それでは(^_-)