下町っ子の上の空

好奇心が人一倍強く、見栄っ張りで、お人好しの下町っ子のBlogです。 ウンチクネタがくどいのがたまに傷ですが、お気軽にお立ち寄り下さい。

らくだ

神田 ビストロ 石川亭 5th

今日は「江戸は無警察都市だった」の話です。
ある程度以上の年配の方なら「江戸時代はがんじがらめの封建時代だった」というコピーをどこかでお読みになったことがあるかもしれない。歴史について書く人の中には、がんじからめなどという意味不明で主観的な表現を好んで使う人が大勢いたからだ。がんじがらめとはどういう状態なのかよくわからないが、たとえば江戸の街はどうだったのだろう。
かつてのドイツ民主共和国(東ドイツ)では、住民の20%から25%ぐらいが秘密警察の通報員をしていたそうだが、こういう状態ならがんじからめといってもいいだろう。ところが、江戸の町奉行所には、幕臣(直参武士)の役人がわずか290人しかいなかった。ただし、江戸時代後期の江戸には、南町奉行所、北町奉行所の二ヵ所があり、それぞれに奉行がいたため、正確には292人になる。
二つの奉行所は月番で、一ヵ月ごとに開庁して業務を行い、非番の月には門を閉じて、前月の訴訟を処理していた。
テレビの時代劇の影響だろうか、町奉行所は裁判所だと思っている人が多いが、290人中の77%に相当する224人は一般行政の役人で、司法つまり裁判・警察担当の役人は23%のわずか66人しかいなかった。司法官の中の警察官は24人だが、半分の12人は調査官のような役目で、定期的な巡回や逮捕などを担当する「定町廻同心」通称「定廻り」という巡査役は、南北両奉行所に6人ずつの合計12人という極端な手薄さだった。百万都市に巡査が12人というのは、今の感覚では無警察状態に近い。
当時の江戸の人口は、武士以外の民間人だけで55万人ぐらいだったが、今なら人口がこの程度の自治体には一般行政の職員だけで5,000人ぐらい必要だ。行政官、司法官の合計が292人では、あまりに少なすぎるというよりほとんどいないようなものだといっていいだろう
「江戸時代はエコ時代」石川英輔著より転載


ということですが、そんな少ない人数で大江戸の治安が守れるわけもありません。
原則民政は民間人の仕事という事になっていたのですが、人口が10万人や20万人程度なら、民間人による民政で何とかなったのでしょうが、次第に人口が増えると民間だけでは手に負えない事件が起きてくるのですね。
もっとも極端な例が殺人事件で、武力によって強制できる捜査、逮捕、処罰の権限がなければ対処できなけないため、丸腰の民間人ではどうしようもなくなりました。
その為に後追いの形で民間の手に負えない事件を処理するために奉行所を設けていったのです。それでも奉行所の総人数は前述の通り292人で、超手薄な体制であることは間違いありませんでした。

IMG_1680
そこで登場したのが大家さんという実働部隊なのです。
住民のもめごとの調停には、まず大家さんが出動します。
もともとは、もめごとや借金問題の和解止まりだった大家さんですが、ありとあらゆるもめごとを解決するようになったので、大家さんの権限は次第に大きくなっていきました。
「町触(まちぶれ)」つまり町奉行所あるいは町年寄からの通達を住民に伝える仕事から、「人別改め」つまり住民登録兼戸籍の作成。さらには「不動産売買の加判」つまり登記の証人のような民法的な面にまで拡大され、冬の夜には火の用心の巡回をしたばかりか、さらには、捨て子、行き倒れ、自殺などの刑法的な面までが大家さんの担当となったのです。
殺人は昔でも大事件でしたから正規巡査の定廻りが担当しましたが、事件性がないことがはっきりしている首吊り、行き倒れは大家さんが処理し、町奉行所に事後報告していました。2万人もいた大家さんの大部隊が、行政の末端の実力者として重要な役割をになうようになったおかげで、超手薄な町奉行所が超手薄なままでいられたのだそうです。

そんな超多忙の大家さんですがこのような仕事はvolunteerでなされていたようです。
というのも大家さんはお金持だったのですね。
Ownerである地主からの給料は家賃の3〜5%程度(年間20両程)だったのですが、江戸時代の大家さんのドル箱は「糞尿」の代金だったのです。
当時の長屋の厠に溜まった糞尿は、近くに住む農民が肥料として買い取っていたのです。10〜20戸の長屋で年間30両程度になっていたといわれかなりの収入となっていました。その供給者である店子には感謝の意味なのでしょうか、年末には餅を配っていたそうです。

私の好きな三遊亭可楽師匠の落語「らくだ」にでてくる、馬ことラクダは河豚に当たって亡くなってしまいました。たまさか亡くなった日にやってきた兄貴分の判次は大家にラクダの通夜をやるように強引にねじ込んだのですが、強欲大家は、店賃を鐚一文(びたいちもん)も払っていないラクダの通夜なんか長屋としてだす必要はない、と開き直ったのです。まあこれは落語なのでこの件(くだり)はこの展開にならなければいけないのですがね。
しかしその実は、仮に店子が店賃を払っていなくても、その店子の糞尿代で大家さんの算盤は見合っていたのです。
つまり大家さんというものは糞尿のでない空き家が一番嫌だったので、多少の店賃の支払いの延滞は由としていたのですよ。
ですから落語においては、このような大家と家賃延滞の店子とのトラブルネタが面白おかしく作られた背景は奈辺にあったのです。


That man build his nest in the toilet?



今日は神田に出没です。
神田といえば「石川亭」さんの全menu制覇がmy missionとして残っていました。
ということで今日のお店は「石川亭」さんです。

住所: 東京都千代田区内神田1-5-6 小山第二ビル1F
電話:03-3291-3158
定休日:日曜・祝日(ランチ予約不可)

IMG_1583
お店の外観です。

IMG_1591
店内の雰囲気です。

IMG_1582
メニューです。

本日のオーダーは「本日のランチ」@1,100円です。
内容は前菜、生海苔と小柱のキッシュ、主菜、ブリのグリエ バジルソースです。
それに13時過ぎの入店でしたのでプチデザート、パンナコッタが付きます。

IMG_1585

IMG_1587
前菜の「生海苔と小柱のキッシュ」です。
「生海苔」のキッシュって珍しいですよね。
「生海苔」の香ばしさってチーズに合うのですネ。
これはchefのセンスの良さではないかなと思うところでもあります。
仏蘭西料理と日本伝統的海藻「生海苔」とのmariageに感動です。
これはとても、すごく、きわめて美味しい

IMG_1588
主菜、「ブリのグリエ バジルソース」です。
ブリがホッコリと網焼きされています。
焦げ目のカリカリ感がたまらない食感です。これはあまりブリに手を加えず素材勝負の一品です。これまたベースのマッシュポテトと合せると味がふくらみます。
これはブリの良さを最大に引き出した一品ですね、美味しゅうございました。

IMG_1590
プチデザート「パンナコッタ」です。
これはミルクの味がまったりとしておりそこはかとなくたおやかです。
甘さも程良く大満足の一品です。

ということで「石川亭」さんの全menu制覇したのですが、このお店は何を食べても美味しいですね。神田に来たらまた寄りましょう。
多分長〜いお付き合いになるお店だと思います。

それでは(^_-)

続 月島 愛伊堂留亭

今日は「落語らくだ」の話です。
私の好きな小説家椎名誠先生が自分の作品「風まかせ赤テント」の中で「らくだ」を絶賛していたました。好奇心の強い私は、早速に完成度の高い三遊亭可楽の「らくだ」を聞いてみました。以下が粗筋です。

【QOT】
とある長屋に住むのが本名を「馬」、あだ名を「ラクダ」と言う男。そのラクダの長屋に、ある日兄貴分の「丁目の半次」がやってきた。返事が無いので入ってみると、何とラクダが死んでいる。そう言えば、夕べ会ったときにフグを持っていたが、さてはそいつに当たったのか……。

「兄弟分の葬儀を出してやりたい」、そう思った半次だが金がない。考え込んでいると、上手い具合に屑屋がやってきた。早速、その屑屋の久六を呼んで室内の物を引き取ってもらおうとするが、久六はラクダ宅の家財道具の状態を全て言い当てて断ってしまう。訊くと、何回もガラクタばかりを引き取らされたらしい。ますます困る半次。と、その頭にあるアイディアが。
「月番を呼んで来い」
久六を月番の所に行かせ、長屋から香典を集めて来るよう言いつけさせるのが半次の魂胆。久六は断るが、仕事道具を取られしぶしぶ月番の所へ。月番は、「一度も祝儀を出してもらった事はない」と断るが、結局「赤飯を炊く代わりに香典を集めてくる」と了承した。安心した久六だが、ラクダ宅に戻ると今度は大家の所に通夜に出す料理を届けさせるよう命令された。ところが、ここの大家は有名なドケチ。そのことを話すと、半次は「断ったらこう言えばいい」と秘策を授ける。
「死骸のやり場に困っております。ここへ背負ってきますから、どうか面倒を見てやってください。ついでに『かんかんのう』を踊らせてご覧に入れます」
仕方なく大家の所へ行った久六。大家は「家賃を何年も貰っていない」と断り、すかさず久六が「かんかんのう」の話をすると「やれるものならやってみろ!!」。久六がそのことを伝えると、何と半次は久六にラクダの死骸を担がせ、本当に大家の所へ乗り込んでしまった。そして、死骸を文楽人形のように動かし、久六に歌わせて「かんかんのう、きゅうのれすー」。本当にやると思っていなかった大家、縮み上がってしまい、料理を出すよう約束した。
これで解放されたと思った久六。だが、今度は八百屋の所へ「棺桶代わりに使うから、漬物樽を借りて来い」と命令された。しぶしぶ行くとやはり八百屋に断られた。「かんかんのう」の話をすると先ほど同様「やってみろ」と言われるが、つい今しがた大家の所で実演してきたばかりだと言うと「何個でもいいから持って行けー!」。
これで葬式の準備が整った。久六がラクダ宅に戻ると、大家の所から酒と料理が届いている。半次に勧められ、しぶしぶ酒を飲んだ久六。ところが、この久六という男、普段は大人しいが実は物凄い酒乱だったのだ。呑んでいるうちに久六の性格が豹変、もう仕事に行ったらと言う半次に暴言を吐き出してしまう。これで立場は転倒、酒が無くなったと半次が言うと、「酒屋へ行ってもらって来い! 断ったらかんかんのうを踊らせてやると言え!!」
何だか分からなくなった半次は言われたとおりに酒を買ってくる。そうこうしている内に、話はラクダの葬礼へ。剃刀を借りてきて坊主にし、漬物樽に放り込んで荒縄で十文字。天秤棒を差し込んで二人で担ぎ、久六の知人がいる落合の火葬場に運び込んだ。
が、道中で樽の底が抜けてしまい、焼き場についたら中は空。仕方なく死骸を探しに戻ると、橋の袂で願人坊主(にわか坊主)がいびきをかいて眠っている。酔った二人はそれを死骸と勘違いし、樽に押し込んで焼き場に連行するとそのまま火の中へ放り込んでしまった。
熱さで願人坊主が目を覚ます。
「ここは何処だ!?」
「焼き場だ、日本一の火屋(ひや)だ」
「うへー、冷酒(ひや)でもいいから、もう一杯頂戴……」
【UNQOT】
【らくだ(落語)ウィキペディア(Wikipedia)】より転載



聞いてみて椎名誠先生が絶賛する理由がよくわかりました。所謂下層階級出身の主人公が様々な社会や事件であった経験を述べるというピカレスク(悪漢)小説のステレオタイプな落語なのですね、ともすると落語は苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)や貧困などを笑いで虚仮(こけ)にする似非下克上的Story Makingがおおいのですが、これは極めて分かりやすく、楽しめる話です。特に最初はグズグズに唯々諾々(いいだくだく)していた屑屋の久六が一度酒を飲むと豹変して、逆にヤクザ者の半次を仕切る件(くだり)が、「三つ目がとおる」の主人公写楽 保介(しゃら ほうすけ)が幼稚でいつも皆にいじめられているのに三つ目になった途端、俄然反撃するSituationに似ており痛快無比なのです。結構お勧めできる一品です。

今日のお店は以前夜の部で行った月島「愛伊堂留亭」さんです。店主のお母さんからお昼も、美味しいから来てね、と言われていたのを思い出しての再訪です。

愛伊堂留亭11
お店の外観です。

住所: 東京都中央区月島4-8-10
TEL:03-3533−8565
定休:日曜日・休日

愛伊堂留亭12

愛伊堂留亭13
今日のオーダーは「刺身定食」@900です。刺身はマグロ、中トロ、ハマチ、タコ、イカと盛り盛りでしかもデラ美味です。焼き鮭はたおやかな味付けでイケます。ちなみにご飯はお代わりFreeです。個人的にはここのお母さん煮物がお上手なので付け合せのキンピラゴボウがお気に入りなのです。お隣の「新富鮨」さんと比べると若干お高いのですが、その分Performanceが良いので呑み込んでしまいましよう。
月島にランチの名店ありですね、ご馳走様でした 

それでは(^_-)
訪問者数

    Archives
    Categories
    記事検索
    • ライブドアブログ