今日は「大阪人の精神的風土」の話です。
武士は、東西の町奉行所の士が管理者としているだけで、あとは町人に行政を委託していた。町は三区あって、北組、南組、天満組という。組はいまの区です。区ごとに、それぞれ町年寄が選ばれて、そこから大阪全体の総町年寄が互選で出されます。
選挙権をもっているのは、自前の家屋をもつ者で、運上金を納めている階層です。裏長屋の住人たち、八さん熊さんには、町年寄の選挙権がない。しかし、彼らも一所懸命働いて、表通りに出て家邸をもつことができれば、選挙権をもつことができる。
士の数は東西の町奉行所の与力・同心をあわせて二百人ぐらいですから、これが七十万の人ロのなかにはいれば、ほとんど、どこにいるのかもわからない。そのために大阪の町人は、武士のもっている封建的な節度とか美意識とかに影響されずにきたものです。
考えかたも態度も、行儀が悪くなる。さらにお上を恐れなくなる。お上の恐ろしさというのは、城下町にいないとわからない。あるいは大名の領地の、庄屋が支配している村にいかなければわかりません。
ともかく大阪には互選の町年寄がいる程度ですから、日本全体が封建的体験をし、封建的美意識の洗礼を受けているのに、大阪だけがその影響をほとんど受けずにきた。そのために、大阪の奴は変な奴だ、ということにもなるんですね。
たとえば大阪の人間が二十人ほどの団体旅行をすると、まるでその列車全部を借り切ったように大騒ぎをする。何とおそれを知らない、行儀の悪い集団だろうと、大阪人の評判が悪くなる。また、大阪の人間は戦争に行くと弱いと言われます。“またも敗けたか八連隊”などと言われた。
「手堀り日本史」司馬遼太郎著より転載
私は大阪に約2年間住んでいましたので多少は大阪人の事は理解できると思います。
東京の下町で生まれ育ったものとしましては、大阪人は権力というものをなめているというか信用していないなと思いました。
私が大阪で住んでいた頃は丁度星野阪神の初優勝が夢ではなくなってきており、虎キチ達はそれこそ欣喜雀躍して連日連夜大騒ぎをしていました。
たしかマジックが点灯し始めた8月末の頃でしたかね、いつもいく居酒屋さんで近所のオッチャン達と酒を飲みながら阪神VS巨人戦をTV観戦していたのです。
すると8時半頃に阪神が巨人に圧勝してお店の方々がお約束の万歳三唱の上の乾杯をしようとした時、常連のオッチャンの一人が、お前ら待てよ、この放送ってサンテレビやないかい。この勝利は信じられんぞ、あらかじめ阪神が勝った時の放送を切り貼りして作ったのかもしれん。10時のNHK見るまで万歳はお預けや、と言いだしたのです。
するとですよ、お店の皆が、ソヤ、ソヤ、サンテレビやったらその位のことはするで、と言って万歳はNHKのスポーツ放送で阪神勝利を確認するまでお預けとなったのです。
私はこの一連の流れを見ていてとても驚きました。
東京でいえばNTVの野球放映がヤラセかもしれないのでNHKで確認するかということでしょう。
東京ではありえないですよね。
私はこれって大阪独特の悪ふざけかと思いきや根っこは権力というものを信用していないと思うに至った件(くだり)だったのでした。
東京は外部流入の人が多いのです。ところが生粋の東京生まれなのか地方から来た人なのかは親しくなって何かのついでにその事を聞くまでは分りません。そして生粋の東京人は大雑把に下町、山の手で分けられます。従いしまして23区以外の人は東京人とはいいません。
ところが大阪も状況は同じなのですが、大阪へ移り住んできた人達は東京と違って町に隠れようとせずに出身地を明らかにします。さらにいえば生粋の大阪人は大阪での出身地を細かく分けます。
例えば船場はちがうとか天王寺はちがうとかいうことなのですが、東京ではそこまでのsegmentはしませんしできません。
多分ですよ、外部流入者のほとんどがそれぞれの土地にいたままの姿で入ってくるので、町に隠れないという事は土着の感覚を崩さないという事なのでしょうね。
しかしそれが大阪弁という方言で繋がると、皆が町に溶け込んでしまいます。
この事はとても不思議に思ったものでした。
この動画は私の好きな関西在住の陰口剛さんの友人の結婚式でのperformanceです。
これって関西らしいなと思うとともに東京ではこういうノリは難しいのではと思っています。
アニ、もうこのようなperformanceは当り前ですと、すいやせん、最近結婚式にでたことがねえもんですんで・・・
今日は新富町に出没です。
この町って食べるところって少ないですね・・・
仕方なく彷徨(さまよ)っていましたら、私の琴線に触れるお店が出現しました。
美味しいのでしょうか?
今日のお店は「ひさまつ」さんです。
住所: 東京都中央区新富1-10-11
電話:03-3551-2985
定休日:土日祝日
お店の外観です。
店内の雰囲気です。
日中だというのにかなり薄暗いです。
メニューです。
今日のオーダー「日替わり海鮮丼」@950円です。
ここのご主人の橋本さんは飯田橋にある割烹の息子さんだそうです。
橋本さんは一旦サラリーマン生活を経て40年ほど前にこの地でこの店を始めたそうです。
現在、築地の場外で食品販売を行う築地店と和食を供するこの店の二店を持たれています。
本店は九段にある「おそめ」とか、それで「お染久松」なのかと納得するのですが、お店の案内には「おそめ」が載っていないのですが多分実家なのでしょうね。
朝早く築地で魚や野菜を仕入れてから築地の総合食料販売店で物品販売を行い、その後新富店に向かうという仕事を根から愛してやまない方です。
若き日の加山雄三似ということですが少し無理があるように思います。
眼が二つ、鼻が一つ、口が一つというlevelなら別ですがね・・・
閑話休題
待つこと4分で到着です。
見た目取り立てて特徴のない海鮮丼です。
のっているタネはまぐろ、ネギトロ、いくら、玉子、カニです。
それでは実食です。
味ですか見た目からは想像できないのですがすごく美味しいのです。
とくにまぐろ、ネギロは過不足ない脂がのっていて最高です。
カニも美味しいし、いくらも美味しいのです。
それと私が一番嫌いな後半にご飯があまるという事もありません。
逆に刺身が少し余ってしまったほどです。
こういう逆見掛け倒しはウレシイですね。
Netで確認したらこのお店は二日間かけて仕込まれる甘辛い角煮は垂涎の一品だそうです。
また新富町に来たら絶対によりましょう。
ごちそうさまでした
武士は、東西の町奉行所の士が管理者としているだけで、あとは町人に行政を委託していた。町は三区あって、北組、南組、天満組という。組はいまの区です。区ごとに、それぞれ町年寄が選ばれて、そこから大阪全体の総町年寄が互選で出されます。
選挙権をもっているのは、自前の家屋をもつ者で、運上金を納めている階層です。裏長屋の住人たち、八さん熊さんには、町年寄の選挙権がない。しかし、彼らも一所懸命働いて、表通りに出て家邸をもつことができれば、選挙権をもつことができる。
士の数は東西の町奉行所の与力・同心をあわせて二百人ぐらいですから、これが七十万の人ロのなかにはいれば、ほとんど、どこにいるのかもわからない。そのために大阪の町人は、武士のもっている封建的な節度とか美意識とかに影響されずにきたものです。
考えかたも態度も、行儀が悪くなる。さらにお上を恐れなくなる。お上の恐ろしさというのは、城下町にいないとわからない。あるいは大名の領地の、庄屋が支配している村にいかなければわかりません。
ともかく大阪には互選の町年寄がいる程度ですから、日本全体が封建的体験をし、封建的美意識の洗礼を受けているのに、大阪だけがその影響をほとんど受けずにきた。そのために、大阪の奴は変な奴だ、ということにもなるんですね。
たとえば大阪の人間が二十人ほどの団体旅行をすると、まるでその列車全部を借り切ったように大騒ぎをする。何とおそれを知らない、行儀の悪い集団だろうと、大阪人の評判が悪くなる。また、大阪の人間は戦争に行くと弱いと言われます。“またも敗けたか八連隊”などと言われた。
「手堀り日本史」司馬遼太郎著より転載
私は大阪に約2年間住んでいましたので多少は大阪人の事は理解できると思います。
東京の下町で生まれ育ったものとしましては、大阪人は権力というものをなめているというか信用していないなと思いました。
私が大阪で住んでいた頃は丁度星野阪神の初優勝が夢ではなくなってきており、虎キチ達はそれこそ欣喜雀躍して連日連夜大騒ぎをしていました。
たしかマジックが点灯し始めた8月末の頃でしたかね、いつもいく居酒屋さんで近所のオッチャン達と酒を飲みながら阪神VS巨人戦をTV観戦していたのです。
すると8時半頃に阪神が巨人に圧勝してお店の方々がお約束の万歳三唱の上の乾杯をしようとした時、常連のオッチャンの一人が、お前ら待てよ、この放送ってサンテレビやないかい。この勝利は信じられんぞ、あらかじめ阪神が勝った時の放送を切り貼りして作ったのかもしれん。10時のNHK見るまで万歳はお預けや、と言いだしたのです。
するとですよ、お店の皆が、ソヤ、ソヤ、サンテレビやったらその位のことはするで、と言って万歳はNHKのスポーツ放送で阪神勝利を確認するまでお預けとなったのです。
私はこの一連の流れを見ていてとても驚きました。
東京でいえばNTVの野球放映がヤラセかもしれないのでNHKで確認するかということでしょう。
東京ではありえないですよね。
私はこれって大阪独特の悪ふざけかと思いきや根っこは権力というものを信用していないと思うに至った件(くだり)だったのでした。
東京は外部流入の人が多いのです。ところが生粋の東京生まれなのか地方から来た人なのかは親しくなって何かのついでにその事を聞くまでは分りません。そして生粋の東京人は大雑把に下町、山の手で分けられます。従いしまして23区以外の人は東京人とはいいません。
ところが大阪も状況は同じなのですが、大阪へ移り住んできた人達は東京と違って町に隠れようとせずに出身地を明らかにします。さらにいえば生粋の大阪人は大阪での出身地を細かく分けます。
例えば船場はちがうとか天王寺はちがうとかいうことなのですが、東京ではそこまでのsegmentはしませんしできません。
多分ですよ、外部流入者のほとんどがそれぞれの土地にいたままの姿で入ってくるので、町に隠れないという事は土着の感覚を崩さないという事なのでしょうね。
しかしそれが大阪弁という方言で繋がると、皆が町に溶け込んでしまいます。
この事はとても不思議に思ったものでした。
この動画は私の好きな関西在住の陰口剛さんの友人の結婚式でのperformanceです。
これって関西らしいなと思うとともに東京ではこういうノリは難しいのではと思っています。
アニ、もうこのようなperformanceは当り前ですと、すいやせん、最近結婚式にでたことがねえもんですんで・・・
今日は新富町に出没です。
この町って食べるところって少ないですね・・・
仕方なく彷徨(さまよ)っていましたら、私の琴線に触れるお店が出現しました。
美味しいのでしょうか?
今日のお店は「ひさまつ」さんです。
住所: 東京都中央区新富1-10-11
電話:03-3551-2985
定休日:土日祝日
お店の外観です。
店内の雰囲気です。
日中だというのにかなり薄暗いです。
メニューです。
今日のオーダー「日替わり海鮮丼」@950円です。
ここのご主人の橋本さんは飯田橋にある割烹の息子さんだそうです。
橋本さんは一旦サラリーマン生活を経て40年ほど前にこの地でこの店を始めたそうです。
現在、築地の場外で食品販売を行う築地店と和食を供するこの店の二店を持たれています。
本店は九段にある「おそめ」とか、それで「お染久松」なのかと納得するのですが、お店の案内には「おそめ」が載っていないのですが多分実家なのでしょうね。
朝早く築地で魚や野菜を仕入れてから築地の総合食料販売店で物品販売を行い、その後新富店に向かうという仕事を根から愛してやまない方です。
若き日の加山雄三似ということですが少し無理があるように思います。
眼が二つ、鼻が一つ、口が一つというlevelなら別ですがね・・・
閑話休題
待つこと4分で到着です。
見た目取り立てて特徴のない海鮮丼です。
のっているタネはまぐろ、ネギトロ、いくら、玉子、カニです。
それでは実食です。
味ですか見た目からは想像できないのですがすごく美味しいのです。
とくにまぐろ、ネギロは過不足ない脂がのっていて最高です。
カニも美味しいし、いくらも美味しいのです。
それと私が一番嫌いな後半にご飯があまるという事もありません。
逆に刺身が少し余ってしまったほどです。
こういう逆見掛け倒しはウレシイですね。
Netで確認したらこのお店は二日間かけて仕込まれる甘辛い角煮は垂涎の一品だそうです。
また新富町に来たら絶対によりましょう。
ごちそうさまでした