今日は「今はどうしているのだろう・・・」
最近、高校の友人との間でZOOM飲み会が増えています。
この飲み会では音信不通の旧友の動静がわかりそれはそれで楽しみなのであります。
そのような中、懐かしさにかられて高校の昔のアルバムを見返していたら、シュッとした格好の良い同級生の写真に釘付けになりました。
私はこのシュッとした顔に驚いたからです。
と申しますのも私が記憶していた彼の顔とは、暴飲暴食のためか顔が不健康に丸くなっており、さら〜に、その両のまぶたは宿酔いのためいつもたらこのように腫れあがっていたのであります。
一番の違いは、目そのものに生気が宿っておらずドヨ〜ンとしていたのです。
なにが彼の顔をそうさせたかでありますが、これには少し説明がいります。
彼は高校を卒業して一浪の上早稲田大学に入り真面目なキャンパスライフを送っていました。
彼の人生双六が大きく狂ったのは就職の時です。
彼の両親は在日韓国人です。
彼は在日の二世ですが日本国籍は所持していませんでした。
当時の日本の会社は外国人の採用をほとんどしていなく、早稲田で優秀な成績を残した彼といえどもどこの会社からもお呼びはかかりませんでした。
結果、彼の選んだ就職先は姻戚のコネで日本では誰もが知っている韓国系の菓子メーカーだったのです。
彼はこの新天地で頑張ろうと刻苦奮闘の努力を重ねたのです。
ところがこの会社で待ち受けたのは、在日韓国人に対するイジメでした。
儒教の国ですから長幼の序に厳しく且つ至るところで本社ではこうなっているという問答無用のパワハラです。
さら〜に、在日韓国人の彼は韓国では当たり前の軍隊にはいっておらずこれが致命的でした。また本国の人間からすると在日の彼らが話す母国語に違和感があり、それもイジメの対象になっていたみたいです。
秋になり木枯らしで枯れ葉が舞い散る頃、彼はその会社を失意の中で辞めたのです。

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それから妹がやっているスナックの裏方として働き始めたのですが、店に出る事もなくひたすらバックヤードで酒を飲み続けていたのであります。
私と彼との再会は偶然の産物です。
私は小学校の高学年の時に在日韓国人の人達と仲がよくて、よく彼らの家に遊びに行っていたのでした。
その中に親戚で年下のこのスナックのママがいたのです。
このような偶然の糸に繋がれて、会社に入った頃からこのスナックに良く訪れるようになっていたのです。
当時のママは源氏名でお店に出ていたので本名での話題はでるわけもありません。
この時点で彼との再会はありえるわけもありませんでした。
ところがある日、高校の話になり、母校自慢の話になりました。
私は地元では有名な進学校を卒業したものですから、かなり母校の事をフイていましたら、ママが、うちのお兄ちゃんも同じ高校よ。
たしか△△さんと同い年だから同級生かもね、と言ったのです。
ママの本名はと聞きましたら、本当は金井よ、と言ったのですが、私は同級生で金井という奴はしならないな、と言いきったら、ママは、本人を呼ぶわよ、と言って出てきたのは彼だったのです。
冒頭のように多飲で顔が変わっていたので、金井のことは思い出せなかったのですが、酔っているせいもあり話を合わせていました。
彼は、剣道部で活躍していた私の事は良く知っていて、色々と懐かしい話をしてくれました。
そしてしばらくするとバックヤードに戻って行きました。
それからそのお店には何度も言っていましたが、彼は挨拶程度で私を避けるようにしていました。
いつの日ですか、私はママに、金井は普段は何しているの、と聞きましたら、小説を書いているみたい。
芥川賞を取るんだとか豪語しているわ、と言っていましたが、その裏返しは、妹の寄生虫になっていたようです。
ある驟雨の夜、お店に行きましたらママは私用があって遅れて来ていません。
結果、金井と私だけになり他に客もいないことから、ママが来るまでサシで飲んでいました。
特段、話題もないので、金井の小説の話を褒めたら、彼は気を良くして、いま書いている原稿があるから見てくれないかな、と言ったので、そんな未来の大作家先生の小説を拝読できるなんて光栄だな、とヨイショしておりました。
そして彼の持ってきた分厚い原稿用紙に目を通すと、ただただ難解な言い回しの文章で埋め尽くされていましたので、正直なところ、この小説は誰も買わないだろうなと思いましたし、ましてや直木賞なんかは見果てぬ夢である事もわかりました。
彼はニコニコしながらもう少し推敲をしなければいけないけど久々の自信作なんだ、と水割りに入っていた氷をグラスの中でグルグルと回していました。
この時点で、私は彼の心の中にある深い闇を見たような気持ちになったのです。
その後私は札幌に転勤になりこのスナックとは疎遠となりました。
7年ぶりに東京に戻ってきました。
しばらくして懐かしのスナックを訪れましたら空き地になっていました。
事情を知る人に聞きましたら、お金に困った金井が火災保険詐欺の目的で焼失させたみたいです。
その後は妹ともどもその消息を断ったようです。
何十年ぶりかに見たアルバムでの彼のポートレートは、シュッとした顔をして莞爾としてわらっていましたが、それとは裏腹の彼の壊れたジェットコースターみたいな人生に思いを馳せました。
今、彼はどうしているのでしょうか・・・


小さなスナック・・・



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石神井公園に次男と出没です。
今日はペペロンチーノが食べたくなりました。
今日のお店は「イルポンテ」さんです。

住所:: 東京都練馬区石神井町6-32-38
電話番号:03-3904-4494
定休日:金曜日

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お店の外観です。

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店内の雰囲気です。

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メニューです。

今日のオーダー
アーリィオ・エ・オーリオ・ペペロンチーニ(普)@1,020円
アーリィオ・エ・オーリオ・ペペロンチーニ(大)@1,130円
久々に「イルポンテ」さんにお邪魔しました。
オーナーシェフの高橋さんお元気ですね。
お年を聞きましたら69歳だそうで、意外にお若いのですね。
今までもっと上かなと思っていたので驚きました。

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座るやいなやお水が到着しました。

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待つこと20分アーリィオ・エ・オーリオ・ペペロンチーニが到着しました。
麺量の普通盛りは150gで大盛は200gです。

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見た目、穏やかな麺相をしています。

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しか〜し、一皮むくとこのようにアーリィオ(ニンニク)がゴロンと入っています。

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ここではパルメザンチーズをかけ回していただくのがお約束です。
それでは実食です。
これが本当のアーリィオ(ニンニク)・オーリオ(オリーブオイル)のペペロンチーノだと思います。
ニンニク、オリーブオイル、塩の単純コラボですが、単純なのですがフレーバフルな味わいが楽しめるのです。
私はこの熱々ペペロンチーノ大大大大好きです
最初は物足りないのですが食べ進めて行きますと、ゴロンと入っているニンニクが味を深めてきます。
ニンニクの香りだけでも美味しいのにそれがパスタに染み入っているのですから得も言えぬ美味しさになるのです。
味変はパルメザンチーズで行います。
後半に味変をやるとよいでしょう。

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底にあるオーリオ(オリーブオイル)が見えるころは、口福の神様が来臨しています。
昔はこのオリーブオイルまで麺にからめて最後まで頂いたのですが、最近は加齢により少しよけて終わりにしています。

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ランチにはサービスで珈琲がつきます。
シンプルイズベストとはこの料理の事を言うのでせうね・・・
ごちそうさまでした

それでは(^_-)