今日は「お岩さん異聞」の話です。 
IMG_9837

IMG_9852

IMG_9839

IMG_9840

IMG_9841

IMG_9848

IMG_9842

IMG_9843

IMG_9844

IMG_9845

IMG_9846

IMG_9847
かつて次男が卒論で「東海道四谷怪談」を書くというので四谷左門町にある「於岩稲荷田宮神社」に付き合いで一緒に行ってきました。
正しく申せば次男のゼミでは「東海道四谷怪談」を卒論で取り上げる時には、この神社にお参りに行き、不吉なことがおこらないようにするのが暗黙の約束なのです。
しかし、お岩さんのお墓には行った事がないので今回連れていきました。
お寺の名前は、法華宗陣門流の妙行寺といいます。
妙行寺は、丸山本妙寺の妙音院日慶上人が寛永元年(1624)赤坂に創建、江戸期には四谷鮫ヶ橋南町にあったといいます。
東京府による市区改正事業のため明治40年当地へ移転しました。
境内には、四谷怪談のお岩さんの墓所、浅野家遥泉院供養塔の他、うなぎ供養塔、魚がし供養塔、浄行様があります。

お岩さんという女性は幕府の御家人、田宮又左衛門の娘で、夫、田宮伊右衛門とは人もうらやむ仲のよい夫婦だったそうです。
しか〜し、家は大変貧しかったので、家計を支えるため商家に奉公に出ました。
お岩は日頃から田宮家の屋敷社(やしきがみ)を熱心に信仰しており、その甲斐あって、夫婦の蓄えも増え、田宮家はかつての盛んな時代に戻ることができたそうです。
ということでお岩さんは貞女だったのですね。
寛永13年(1636)にお岩さんは亡くなりましたが、お岩さんの信仰によって田宮家が復活したという話は評判となり、近隣の人々は田宮家の屋敷社(やしきがみ)を於岩稲荷と呼んで信仰したのです。
享保2年(1717)田宮家は屋敷神の隣に稲荷祠を建立しました。
参拝を求める人が増えたので、屋敷を開放して参拝を許可することになり、以来、「於岩稲荷」、「大巌明神」、「四谷稲荷」、「左門町稲荷」などと呼ばれて、家内安全、無病息災、開運、さらに悪事や災難除けの神としてますます江戸の人気を集めるようになったのです。
つまりお岩さんという女性は怨霊のかけらもない人なのですね。

Kuniyoshi_The_Ghost_in_the_Lantern
原作者の鶴屋南北はかねてから、「於岩稲荷」のことを聞いて知っていました。
お岩さんという女性が死んでからもう二百年がたっています。
それなのに今でも江戸で根強い人気かあることに注目したのですね。
人気のある「お岩」という名前を使って歌舞伎にすれば、大当たりは間違いない、と見当をつけた南北は台本書きに入ったのです。
お岩さんは、皆が信心する様な善人では面白くありません。
刺激の強い江戸の人間を呼ぶにはどぎついまでの脚色が必要だったのです。
鶴屋南北は「お岩稲荷」からは「お岩」の名前だけを拝借して、江戸で評判になったいろいろな事件を組み込みました。密通のため戸板に釘付けされた男女の死体が神田川に浮かんだことがあったので、よし、これを使おう。
主人殺しの罪で処刑された事件もあったので、あれも使える。
姦通の相手にはめられて殺された俳優がいたので、それも入れよう。
四谷左門町の田宮家には怨霊がいたことにしようと、江戸の人間なら、だれでも記憶にある事件を鶴屋南北の空想力で操り、脚本はできあがったのです。
しかし、四谷が舞台では露骨すぎます。
「お岩」の名前だけ借りれば十分なので南北が付けた題名は「東海道四谷怪談」でした。
この題名で四谷の於岩稲荷とは無関係な創作であることを示すことにしたのです。
天才的な劇作家が虚実取り混ぜて創作したのが、お岩の怨霊劇だったのですね。

ちょっと混乱した方がおられるかと思いますが、お岩さんの菩提寺は私たちが行った巣鴨の「妙行寺」にあります。
四谷にありますのは、田宮家の屋敷社(やしきがみ)です。
昔は、敷地内に神社を建立する信心深い人が多かったのです。
田宮家もそうした信仰に基づいて「於岩稲荷田宮神社」を作ったようです。
ところが四谷の「於岩稲荷田宮神社」の前には「於岩稲荷霊神・陽運寺」があります。
これについては、どちらが屋敷社(やしきがみ)の正統なのかは不明です。
いずれにしても現在では神仏分離ですのでどちらとも正統ともいえますが、以前、私が次男と言った際は、この四谷の「於岩稲荷田宮神社」は、田宮伊右衛門・お岩夫妻の子孫が代々の宮司を務めているとのことでした。
その当時の宮司さんは、十一代目の田宮均さんでした。
「於岩稲荷霊神・陽運寺」の方は不明です・・・


昭和8年の復刻サーバーでおいしいビール、2杯まで 流川の「重富」 昭和8年の復刻サーバーでおいしいビール



IMG_9806

IMG_9807

IMG_9808

IMG_9823

IMG_9825

IMG_9826

IMG_9829

IMG_9830

IMG_9831

IMG_9833

IMG_9834

IMG_9835

ということで今日のお店は巣鴨の行列のお店です。
今日のお店は「八ツ目やにしむら」巣鴨店さんです。

住所: 東京都豊島区巣鴨3-34-2
電話:03-3910-1071
定休日:日曜日

IMG_9809

IMG_9813

IMG_9811
お店の外観です。

IMG_9821
店内の雰囲気です。
ここは行列必至のお店です。
11時半に訪れた時は7人の列ができていました。
前回の目黒店で行列は懲りたのでの今回は予約をしておきました。
予約した席は2階でした。
しつらえが落ちついています。

IMG_9822

IMG_9832
お店を出る時はこのような行列が店外までできていました。

IMG_9810
メニューです。

今日のオーダー「鰻重定食(上)&鰻重定食(上・大盛)&肝焼き」@3,500+@3,600+@800円=7,900円です。

IMG_9817
待つこと29分で「肝焼き」の到着です。
目黒店と比べます今日の「肝焼き」と少し冷めていました。
それでは実食です。
柔らかい部分と弾力がある部分が交互に口内で踊ります。
香ばしくて美味しいのですが、冷めた分だけ興ざめです。

IMG_9818
待つこと31分で「鰻重定食(上)」の到着です。
今回は上を頼みましたので、お重の90%は鰻で占められています。
ゴージャスですね。

IMG_9819

IMG_9820
それでは実食です。
皮はパリっと香ばしく焼きあがっています。
内側はふんわりと焼き上がっています。
所謂、ふわふわトロトロであります。
タレは甘辛に過不足がなく所謂江戸前の味わいです。
副菜の香の物も出すぎない味付けで結構でした。
最後の一口まで美味しくいただきました。
次男は顔に恍惚の表情を浮かべていました。
しいて瑕瑾をもうせば「肝焼き」同様熱々ではありませんでした。
こういう事をまさに「画竜点睛を欠く」と申すのでしょう。
最近、夢中で食事をするのは「鰻重」だけです。
至福のひとときを親子ともども堪能しました。

それでは(^_-)