今日は「2017年京都・姫路旅行 其の弐」です。
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宝厳院を後にした奥様と私は、次の目的地である「大河内山荘」に向かいました。
保津川の大借景の嵐山を見ながら竹林の坂道をしばらく昇って行くと大河内山荘の正門に着きます。

#大河内山荘
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大河内山荘に着くとお抹茶席で抹茶と和菓子での接待を受けます。

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歩き疲れた足を休めると、頭上には小倉山を覆い隠すような圧倒的なひつじ雲が迫っています。
まさしく秋の空です。

「大河内山荘」とは、百人一首で有名な小倉山の南面に、映画俳優大河内伝次郎(1898〜1962)が、自ら一木一草にも丹精込めて創作した庭園です。
庭園には数多くの松、桜、楓が興を添え、朝な夕な、七色に変化する比叡の峰々が望め、徒然草にゆかりの双ヶ丘に連なる洛西の風光が楽しめ、数多い京の庭園のなかでも屈指の名園なのです。
以前、TVでこの屋敷をフィーチャーしていましたが、ストーリー性をもった室内、凝りに凝ったしつらえは嘆息が出るようなものでした。
現在、邸内の一般公開はしていないもようですが充分に満足しました。
まずは、京都を睥睨する山荘のパチリをご覧ください。
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去年の京都は「大悲閣」から「大河内山荘」を見ていました。
今年はその真逆で「大悲閣」から「大河内山荘」を見ていますと、「大悲閣」から嵐山をつんざくような大音響の法螺貝の笛の音が聞こえてきました。
京都ならではの味わいであります。
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京都タワーの左横の山が大文字です。
夏にはここから五山の送り火が楽しめるのでしょうね。
それにしても京都はやることが斬新且ダイナミックです。
そもそも送り火は、ふたたび冥府にかえる精霊を送るという意昧をもつものです。
室町以降の庶民の間では、松明の火を空に投げ上げて虚空を行く霊を見送るという風習があったそうですが、京都五山の送り火は、この風習が拡大化されて山に点火されるようになったものです。
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ここからは「大河内山荘」の邸内を一挙公開します。
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渡月橋を右手に向かって人込みの中を「トロッコ嵯峨駅」に向かいます。
奥様が空いた時間で「トロッコ列車」に乗ろうと目論んだのですが、結果、切符は完売していました。
奥様は京都を甘く見過ぎです。
今日の今日で「トロッコ列車」に乗れたら苦労はしません、ハイ。
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夜の会席料理まで時間があります。
京都伊勢丹で白蓮(孫娘)の服のお買い物を付き合いました。
それにしても赤ちゃん服ってお高いですね。
2人以上の福澤先生が財布から退場されました。
まぁ白蓮は美人ですから、かわいい服を買ってやりませんと・・・
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本日のメインイベントです。
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今日の夕食は京会席のお店です。
このお店は、最近、多くのメディアでフィーチャーされていますので予約が取れません。
従いまして私はなななんと5カ月前に予約を入れて本日に備えました。
本日のお店は「つづき」さんです。

住所: 京都府京都市上京区荒神口通河原町荒神町109-1 エルスール河原1F
電話:075-231-0976
定休日:日曜日

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お店の外観です。

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店内の雰囲気です。

きょうのオーダー「コース料理」@6,000円です。
このお店の店主都築厚志さんは、三河一色産うなぎ、豊橋の鴨肉、八丁味噌、三河みりんなど、ご出身の愛知の食材や調味料を積極的に取り入れていて京出汁と合わせた料理を創作しています。
ちなみに店主の出自は南禅寺畔瓢亭だそうです。
さてさて愛知ラブの店主が作る京会席はいかがなものでしょうか、期待で胸が高鳴ります。

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奥様は京会席のカウンターデイナーは初めてなので少し緊張しています。
本日、店内は私たち以外のお客は、セレブリティなカップル×2組のみでした。
まずはお疲れ様乾杯です。

それでは京会席の幕を切って落としましょう。

#先付
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琵琶湖ほんもろこの南蛮漬けとぼらの白子焼きです。
ほんもろことは、淡白な中に深い旨みがあり、日本のコイ科魚類の中で最も美味とされる高級魚だそうです。
まずはほんもろこを頂きましたが、南蛮漬けなので本来の味わいがわからず、小アジの南蛮漬けより骨も柔らかいなくらいの感想でした。
ぼらの白子焼きは風味もあり且つとろけるような味わいは満足のできるものです。
出足はまずまずです。

#向付
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和歌山のバショウカジキ、佐渡のぶりの炙り、淡路島の天然の鯛です。
バショウカジキとは、体高よりも大きな背中のひれが 芭蕉の葉を思わせることからその名が付いたそうです。
私は、そんなに会席経験は深くないので、このような精緻にトレサビリティを説明されても、店主が思い描く品質を共有するのは無理なのです。
もう少しシンプルに、美味しさのポイントはここです、くらいの方が分りやすいです。
味ですか、皆、美味しかったのですが中でも佐渡のぶりの炙りは秀逸でした。

#椀物
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茄子と胡麻豆腐のお吸い物です。
よく胡麻豆腐を崩さずに作りましたね。
もしかしたら胡麻豆腐を椀に入れてから出汁をいれたのでしょうか。
いずれにしましても硬軟織り交ぜたお吸い物です。
橙の香りが効いていて心も体も温まる椀物でした。
美味しいです。

#八寸
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秋刀魚の焼き寿司、白魚、ほうれん草・菊菜・菊花・落花生の和え物、いさざと豆の佃煮、焼き牡蠣の加茂味噌掛けです。これは普通の味わいです。
個人的には、このようなハッチポッチ(ごちゃ混ぜ)な盛り付けは好きではありません。
店主は何らからのインテンションを持ってお創りになったのでしょうが、さりとて私たちが作り手の思いを忖度するのも変な話です。
那辺は説明して頂きたいものであります。

#焼き物
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さわらの味噌幽庵焼き・ポテトサラダ添えです。
幽庵焼きとは、江戸時代の茶人で、食通でもあった北村祐庵(堅田幽庵)が創案したとされています。
アマダイ、マナガツオ、イナダ、サワラ、カマスなどの魚の切り身や鶏肉などを、醤油、酒、味醂を1:1:1であわせ、ユズの輪切りを加えてつくった漬けダレである「幽庵地」に数日間漬けこみ、汁気を切った後に焼き上げる手の込んだ一品です。
香り良し、身の柔らかさ良し、脂のノリ良しの三冠王です。
これは店主の出身地である名古屋言葉で申せば「デラ美味」です。

#酢の物
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もずくとじゅんさいの酢の物。
これは特段のコメントなしです。
普通に美味しいです。

#揚げ物
鱧とわかさぎの天麩羅です。
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最初、塩がでてきたので天麩羅とわかったので、パキスタンヒマラヤ岩塩ナマックですか、と冗談をかましましたら、店主が驚いてしまい、これはヒマラヤではなくて、愛知県知多半島は美浜の塩です、と説明していました。
店主は真面目な方なのですね。
ここでも愛知ラブでありました。

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天麩羅はわかさぎに白旗を揚げます、違うか上げます。
鱧って京都人が絶賛するほど美味しくないと思います。
鱧は精力が付くのでその分が加点さているのではと臆断しています。
ちなみにわかさぎの天麩羅は、どぇりゃ美味いでかんわ、であります。
美浜の塩も結構でした。

#食事(ご飯・味噌汁)
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ご飯は、栗、銀杏、さつま芋、蓮根、アゲ、むかご、畑シメジの秋の炊き込みご飯と里芋の赤出味噌汁です。

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このご飯は秋の7種の美味しい品々を炊き込んだもので大変美味しゅうございました。
加えて八丁味噌の赤だしも美味しゅうございました。
ここらで奥様と私のお腹のメーターが振り切れました。
もうこれ以上食べられません。
よくここまで持ちこたえたものです。
会席は長時間食べるので、胃の膨満感はリニアではなく時間差で感じます。
従いまして後半はお腹にきついモノがありましたが、何とか完食できました。

#デザート
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梨と安納芋のアイスクリームです。
安納芋のアイスは美味しいのですね知りませんでした。
梨のさわやかな甘さも良かったです。
器がギンギンに冷やされていたのは高評価です。

約2時間半の長丁場でしたが満足する内容でした。
しか〜し、京都で名古屋ラブの京会席を食べるのも不思議なものです。
店主含め客全員が京言葉でなく標準語をしゃべっていたので思わず赤坂当たりで食事しているような感じすらしました。このコスパなら東京でも沢山のお客が付くことでしょう。
なんで京都にお店を開いたのでしょうか?
不思議です。
そうそうセレブリティのカップルの一組は10,000円のコースを頼んでいましたが、量が大いいので大食漢でないと完食するのは大変ですよ。
勿論、料理の材料は6,000円と比べてはるかに高級なので目移りしましたが、やはり腹も身の内ですから、奥様と私は今回のコースが適していました。

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外を出て京都駅までタクシーで移動しました。
今日の京都タワーは心なしか優しそうな感じがしました。
京都タワーに、おやすみなさいを言ってからホテルに向かいました。

それでは(^_-)