今日は「雷門DE大乱闘 其の四」です。
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おそ先に失礼、と言って逃げ出そうとした、私の右腿の裏面に激痛が走りました。
馬鹿野郎!痛ぇじゃないか。
本気で蹴るのは反則だぜ、と言って振り向きざまに回転を効かせた渾身の廻し蹴りを一閃しました。
私が頭に描いたのは私に蹴られた相手が倒れ込んでいる画像でしたが、その真逆でニコッと笑って左手でしっかりと私の得意技をブロックしている機動隊員が目の前にいました。
喧嘩のプロがきたのかよ、マジか、とつぶやいたものの人だかりの多い金曜日のしかも雷門の門前で若者が大乱闘しているものですから、雷門派出所は第六方面本部の機動隊の出動を要請した模様です。
彼らは幕末の京都の浪士を慄然とさせた新選組と同様に一対一の戦いはせず、必ず一対二、若しくは一対三のようなハンディキャップバトルを仕掛けてきます。
私は大きな深呼吸を一つして態勢を立て直して戦いを再構築したのですが、一人を殴っていると、もう一人が私の空いている箇所をめがけてミドルキックを入れてくるものですから、さすがに押されてきました。
彼らは傷が露出する外傷を嫌うので衣服で隠れている腹部とか両脚を狙ってきます。
従いまして、ダメージは時間の経過とともに幾何級数的に増えていくのです。
全く勝ち目なし、と思った私は徐々に雷門通りに後退しながら退路をうかがっていました。
私の描いた逃避行は雷門通りのガードレールに足をかけ、そこから大きなジャンプをして路肩に止めてあったパトカーの屋根の上をゴロゴロと右に転がり、その勢いて道路に飛び降り、そのまま反対車線までダッシュして、対面にある都営浅草線の浅草駅の地下通路に逃げ込むという絵図を書いていたのです。
相手が殴り合いに疲れ大きな深呼吸をして手を休めたので、今しかないと思い、馬鹿野郎、おととい来やがれ、と言ってふりむきざまに華麗なるステップを左右にポンポンと踏みますと、予定のガードレールが見えてきました。
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ここから三段跳びのようにホップ、ステップ、ジャンプと跳躍してガードレールに着いたら、そこに足を掛けて一気に跳ね上ってパトカーの屋根に飛び移り、後はゴロゴロと転がりパトカーの反対側に降りさえすれば無罪放免なのです。
ところが・・・
オニイサン、映画のようにはいかないよね、と乾いた声が私の背後から脚を掴んで、パトカーの屋根の上から路上に一気に私の体を引きずり下ろしたのです。
脚部をかなり蹴られていたので普段の跳躍ができず屋根の上に登るまでが精一杯だったのです。
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地面にガマカエルのように這いつくばった私の背中に、機動隊員から安全靴(鉄芯入りの作業靴)のストンピングがドスドスと刻まれました。
たまらず私は、痛ぇじゃないか!背骨が折れたらどうするんだ、と叫びますと、まだ威勢がいいじゃないか、とさらに倍の安全靴が落ちてきました。
事ここに至るという心境になった私は、もう抵抗しません、と泣きを入れたのを潮時にストンピングの豪雨が止みました。こういうのを「白旗を揚げる」というのです。

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二人の警察官に挟まれてパトカーで所轄の警察署に連行されました。
若い警官から、いい動きしていたじゃないか。喧嘩なんかに明け暮れてないで改心して機動隊に来いよ、とお誘いがあったのですが、徐々に体のあちこちの打撲が熱を持って痛んできたので変に逆らう元気もなく、喧嘩なんかしたことがありません。今日は先輩たちと歩いていたら乱暴な学生さん達に言いがかりをつけられ殴られただけです、としおらしく言いましたら、ニイチャン、嘘つくと偽証罪も付くからね、と笑い飛ばされたのです。
浅草警察署につきましたら乱闘に加わった全員が連行されていました。
私たちの相手は東洋大学の体育会の人間で、同部内に浅草出身の者がいたので観光を兼ねた飲み会をやっていて、それが終わったので浅草寺にお参り行こうということになり、傍若無人に歩いていたところ、くだんの乱闘になったのでした。
東洋大学の学生は12人で地元浅草の人間は6人でした。
それを聞いて、倍の人間と闘ったにしては善戦だったな、と私は妙な感動を覚えていました。
みんな日ごろ鍛えているので、大きな怪我をした者はいなく、それは幸いでしたが、お岩顔の人間も複数いましたので、そこそこの乱闘だったのでしょう。
署内で浅草の先輩から、お前らそれなりの大学に行っているんだから、ゼッテイに本名を言うなよ、偽名で通せ、と厳命されました。
私はこのような場合、剣道の試合で絶対に勝ったことがない大苦手の郁文館高校の△△君の名前、住所を使わせてもらっていますので、事件調書にはスラスラと偽名をあたかも本名のように書いていました。
しばらくして若大将が浅草つながりで向こうの責任者と示談で話をつけ、加えて台東区の区議会議員にもらい下げを依頼したものですから、留置場にいたのは90分位でした。
時計の針が12時を廻った頃、その前に署に来ていた区議会議員が署長との話がついたみたいで留置場から出されて無罪放免となりました。
署の玄関先で、浅草の人間だから喧嘩の一つや二つをするくらいの元気がなければいけません。
聞くところによると学生さんもいるみたいだから、その有り余ったエルギーは勉学にむけてください。
君たちが浅草の未来を背負って立つのですよ、と議員さんから活を入れられて解散です。

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煌々と輝く大きな満月に雷門での健闘の賞賛を受けながら、いつもの反省会の会場である千束にある「末っ子」までみんなで歩いていきました。
するといたるところで若いのが駆け寄ってきて、チンピラ学生を雷門でシメタんですって、さすがっすね。
皆、拍手喝采すよ、と激励の声掛けです。
さらに歩いていくと、そのスジのコワイ方から、よく頑張った。負けたら殺すところだったぜ、と脅かされ、この夜の乱闘はいち早く浅草中での大話題になっていたみたいです。
そりゃそうでしょう、あれだけのパトカーが雷門の前に横付けされたのですから。
「末っ子」につくと、まずはビールで勝どきの乾杯をして、後は論功行賞です。
誰が、一番倒したとか、誰が一番殴られたとかで大盛り上がりです。
私もそれなりに貢献したのでハイテンションで飲んでいました。
これが浅草のストリートファイトの良いところなのです。
今は昔の話です。
決して「暴力礼賛」ではありませんので那辺は宜しくご理解ください。


フリネタに合わせました。
「The House of the Rising Sun」とは、19世紀に実在した刑務所のようです・・・



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今日は勝どきはトリトンスクエアに出没です。
トリトンは大手総合商社が入っている複合施設ですが、たいしたレストランはありません。
かなり物色しました結果今日のお店とあいなったわけです。
今日のお店は「the肉丼の店」晴海トリトン店さんです。

住所: 東京都中央区晴海1-8 晴海アイランドトリトンスクエアW棟 2F
電話:03-6204-9936
定休日:無休

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お店の外観です。

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店内の雰囲気です。

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メニューです。

今日のオーダー「絶品ポークソテー丼」@780円です。
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店内に入ると女性店員が、食券を買ってください、と怒鳴ります。
あらコワイ、と大人しく食券を買い求めますと、今度は、水はセルフサービスです。
自分でお取りください、と今度は上から目線で言いきります。
さすがに腹に据えかねたので、食券をこのお嬢さんの口の中に突っ込んで帰ろうかなと思ったのですが、するワケがありません。
あまりに癪なので水を取らずに席につきましたら店長らしき人がヘコヘコと水を持ってきました。
労働力不足なのでこのような女性も雇わなければならないのでしょうね。
武士は相見互いなので、店長の心情を察してありがたくお水をいただきました。
単に冷たい水でした、ハイ。

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待つこと7分で「絶品ポークソテー丼」の到着です。
見た目ニクニクしています。

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それでは実食です。
肉は柔らかくて美味しいのですが、タレが生卵に負けています。
どうなのでしょうか、この味は好き好きですね。
もう少しメリハリのある味の方がよかったです。
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まぁ、デイズニーのアニメを見ながら食事ができたので良しとしますか・・・

それでは(^_-)