今日は「硫黄島の戦い異聞」です。

今から70年前にこの映画がアメリカ人を熱狂させたのです。
この映画は日米で激闘が繰り広げられた硫黄島で、アメリカ軍の歴史上最も過酷な26日間、およそ100人を超えるカメラマンを動員して撮影されたものです。過酷について言及しますと、精鋭で鳴らしたターナー海軍中将率いる米海兵隊に日本軍は史上最大の苦戦を強いらせたのです。
結果的に硫黄島は陥落したものの、日本軍の死者が21,152名だったのに対し、アメリカ軍は28,686名とアメリカ軍は日本軍よりも多い死者をだしているのです。
戦死者だけを見ればアメリカ軍は6,821名で日本軍20,129名と日本側の方が多いのですが、この映画のとおり彼我の戦力差から見れば驚くべきことであります。
太平洋の島嶼をめぐる戦いで、日本が自軍を上回る死傷者をアメリカに強いたのは硫黄島戦だけで、アメリカでの地名度と評価はむしろ日本より高いのです。
この映画のクライマックスは兵士たちが硫黄島のスリバチ山の頂上に星条旗をかかげる場面(9分58秒〜)です。
私もこのシーンは「父親たちの星条旗」(クリント・イーストウッド監督)で見ています。
しか〜しこの星条旗をかかげる場面はやらせだったのです。
硫黄島に進軍したアメリカ軍が真っ先に目指したのは日本軍が拠点をおくスリバチ山の山頂でした。
実際アメリカ軍は上陸五日目に山頂にたどりつき星条旗を掲げたのです。
戦闘が続く中でしたので撮影できたのは写真のみで、掲げた旗も小さなものでした。
ところがその画像を見た本国のフォレスタル海軍長官は、より大きな旗をあらためて掲げるように指示したのです。それを受けた海軍上層部は、あれではよく見えないのでもっと大きな旗をかかげるよう、写真部隊責任者に指示をしたのでした。
こうして実際に山頂を征服したのとは別の兵士が3人集められ、戦闘中にもかかわらず星条旗をあらためてかかげたのです。この映像はカメラマンが待ち構える前で一番効果的なアングルで撮影されましたので感動的なクライマックスとあいなったのです。
フォレスタル海軍長官の思惑はあたり、この映像はアメリカ国民を大熱狂させ、厭世気分になっていた国民感情を「戦争を継続させ」るように変えたのです。
アメリカ国民に、我々も兵士たちと一緒に星条旗を掲げよう。ともに戦い抜こう、と奮起させたのでした。
「国民の戦い」という意識を再び高めるために英雄が必要だった米財務省と米海軍省は2回目の星条旗を掲げた兵士たちを英雄として急きょ本国に呼び寄せました。
そしてスリバチ山で星条旗を掲げた英雄たちを戦時国債のシンボルとしてキャンペーンを大々的に行い、その販売額は過去最高の記録を更新して全戦費の6割に当たる資金を調達したのでした。
その一方で硫黄島では血で血を洗うドロドロの戦いを続けていたのであります。
参考資料NHK「憎しみはこうして燃やした」

父親たちの星条旗」
「父親たちの星条旗」を映画で見ていた私は、くだんの3人の英雄の戦後の暮らしが不芳であったのは、戦争でのトラウマを引きずっているのだと臆断していたのですが、その実は自己欺瞞(自分の良心に反しているのを知りながら、それを自分に対して無理に正当化すること)だったのですね。納得です。
そりゃそうでしょう。
兵士としての評価ではなく戦争映画の演出のため作られた英雄ですからね、その後の人生はすさんだものになるでしょう。ラッキーなのはクリント・イーストウッド監督です。
クランクアップ直後にこの真実が公開されたら「父親たちの星条旗」そのものがお蔵入りになっていたわけですから。

驚いたのはアメリカ国民が太平洋戦争そのものに重きを置いてなかった事です。
同時にヨーロッパで戦争が行われていたこともあったのですが、いずれにしても本土とは離れたところで戦争そのものが行われていたこともあり、「国民は戦争をどう考えるか」という国からのアンケートに対して、深刻に考えている(40%)、深刻に考えていない(54%)、わからない(6%)ですから、この余裕の差からして日本は負けるべくして負けたのでしょう。

個人的には日本が負けた最大の理由は、真珠湾攻撃の際、南雲忠一の指揮する機動部隊が、第二攻撃を行わなかったことだと思っています。
この案は南雲司令部の参謀である源田実などからも提議されていました。
源田は、戦後になって著した回顧録(「真珠湾作戦回顧録」)の序文で、「私の合点できない一つの例は第二攻撃の問題である」と書いているのですから、よほどの無念だったのでしょう。
換言すれば第二攻撃を行うことで、オアフ島港のアメリカ海軍の基地をもっと徹底的に叩けたというのです。
この意見は、戦後になってアメリカ側からも指摘されています。
具体的には「450万バレルの貯油タンク群を爆破さえしていれば、アメリカ海軍はハワイを基地として使用するのは不可能だった」と分析されていました。 
もうひとつは、「日本軍はあれだけの攻撃をかけたのだから、なぜハワイヘの上陸作戦を強行して、その占領を図らなかったのか。そうすれば、アメリカ海軍としてはアメリカ本土の西海岸を基地とする以外になく、日本軍の作戦は有利に展開しただろう」というものでした。
つまり戦争をどのような状況で収拾するのかという構想がなかったことがこの戦争を敗戦にした最大の要因だと強く思うのであります。

一方アメリカはこの構想がしっかりしていて、日本の戦後処理なんかはきちんと考えて戦争を始めているわけですから雲泥の差であります。
それに国家予算の6倍にあたる戦費(790億ドル)に対しては、いつも資金調達を真剣に検討されていました。
その為に上述のなりふり構わぬ戦時国債キャンペーンの映像が作られたわけです。
しか〜しこれは非難されるものではありません。
結果、戦争終結が早まったわけですからそれはそれで宜しかったのではないでしょうか。
ひとたび戦争が始まれば狂気が生まれます。人が人を平気で殺戮できるのは狂気のなせるわけですから、狂気と闘う必然性が見いだせない私は“No more war!”であります。


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今日は長男が夏休みで帰省していますのでツレ飯です。
美味しいカレーを食べようという事になりました。
今日のお店は「カレーや上野」さんです。

住所: 東京都中野区白鷺3-1-1
電話:非公開
休日:第1・3日曜

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お店の外観です。

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店内の雰囲気です。

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日本のカレー文化に貢献したカレー店を表彰する,Japanese Curry Awards 2014受賞の10店に選出されたそうです。

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メニューです。

今日のオーダー
私は「チキンカツと野菜のカレー」@800円
長男は「ホタテ貝としめじのカレー」@850円
です。

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待つこと3分で野菜サラダの到着です。
このサラダはエッジがたっており醤油味のドレッシングは好みの味です。
いきなり感動です。美味しいです。

待つこと10分で「チキンカツと野菜のカレー」の到着です。盛り付けが綺麗ですね。

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それでは実食です。
これはカラっと揚がったチキンカツ美味しです。
衣も美味しいし、肉もやわらかです。油の温度管理が巧みなのでしょう。
かなりの味です。
前の日から下味をつけている野菜もホクホクして美味しいです。
カレーは辛くなく素材の味が楽しめました。

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そして「ホタテ貝としめじのカレー」です。
ホタテとしめじの食感は最高です。
瑕瑾を申せばホタテの匂いがちょっと鼻につきます。
で〜もマイルドでイケていました。

コスパを考えますとかなり高得点です。
鷺ノ宮に「カレーの名店」ありです。

それでは(^_-)