今日は「そんなに飲んだらい肝臓?」の話です。
お酒好きにはたまらない本に会遇しました。
本の名前は「ロシアは今日も荒れ模様」米原真理著 講談社文庫刊です。
この本は私の琴線にかなり触れましたので以下に紹介します。

ウオトカ
「世の中に醜女(ぶす)はいない、ウォトカが足りないだけだ」
「『このコニャックは南京虫の臭いがする』などと言うヤツをペシミストという。『この南京虫はコニャックの臭いがする』などと言うヤツをオプチミストという」 
なんて具合に現実の理(ことわり)も人生の機微もとにかくありとあらゆる現象を酒を手だてに解釈しようとする慣用句がロシア語には山ほどある。 
たとえば、米ソが中性子爆弾の開発にのり出し、それが社会的に問題になりはじめたころ、この新型爆弾に関する様々な解説や論文が新聞雑誌の頁を賑わしたものだ。しかし、次のように卓抜にして明快な解釈によって、この兵器の本質を突きつつ笑い飛ばした例をわたしは知らない。   

二人の飲み仲間の会話・・・
「おまえ、最近世間を騒がせてる中性子爆弾てのを知ってるかい? 原子爆弾とどう違うのかね」 
「ああ、早い話、原子爆弾ってのは、ここにたとえば落ちてきたとすると、オレもおまえもウォトカもお陀仏ってことだな。ところが、中性子爆弾が、ここに落ちたとすると、オレとおまえはお陀仏だけど、ウォトカの方は無傷のまま残るってことだ」   
「そうかあ。するってえと、おまえとオレがこうして無事なのに、ここにウォトカがないってことは、どんな爆弾を落とされたのかねえ」 

あるいは、シペリアの大地の途轍(とてつ)もない広大さ、その自然条件の途方もない厳しさを物語るにも、ちゃんとウォトカの助けを借りるのだ。   

シベリアでは、400キロは距離ではない、マイナス40度は寒さではない、プラス40度は暑さではない、ウォトカ4本は酒ではない


いきなりきますでしょう!
さらに続きます。

わたしの恩師にして、前垂示外国諸大学学長、日本ロシア文学会会長の原卓恨】氏は、ロシア語とロシア文学を学ぶ者の必須科目として、常々「教会スラブ語とウォトカ」を挙げておられた。二つ目の必須科目については、知識人に多い口先だけでなく、ずいぷんと実践面でも極められたようである。その最大の犠牲者は、肝臓かもしれない。ロシアの小咄も戒めている。

大酒飲みの一生。人生の前半は、肝臓を苦しめ、後半は肝臓に苦しめられる。

斯界(しかい)の第一人者、原卓也先生も告白しておられる。

いったん開栓した珊は空にしなければ気がすまない。ロシア人を日本のバーに案内しても、ボトルーキープ制などといういじましい方式は決して理解してもらえぬ所以である。(中略)冷蔵庫の冷凍室に二日ほど寝かせておき、珊の外側が白く凍りついたやつになると、なんとも形容しがたい、とろりとした舌ざわりが美味で、実にこたえられず、つい飲みすぎて、足をとられてしまうことになる。わたし自身も調子に乗って、これまでいくたび失敗を繰返したかわからぬくらいだ。


そして過度の飲酒は社会問題になっています。

アル中は家庭問題でもある。 ロシアの結婚式で乾杯をするとき、「(酒が)苦い! (酒が)辛い!」と合唱するしきたりがあるのは有名だ。これは、お察しのように、新郎新婦に口づけをするよう催促する言葉で、「酒の苦みを口づけで甘くせよ」という意味である。もっとも酒が口づけで甘くなるのは、家庭生活の門出にあたるこのときだけで、以後過度の飲酒は、家庭生活を苦くて辛いものにするようだ。  

酔っぱらいの亭主を見かねた妻が詰め寄った。   
「あんた、ウォトカをとるの、わたしをとるの? ハッキリしてちょうだい」   
「その場合のウォトカは何本かね?」

二組に一組の割合という高い離婚率のロシアで、その理由の50%前後が夫の飲酒という。こちらは公表されたデータで、国立レニングラード大学法学部によるペレストロイカまで15年間に亘る離婚時調査の結果。


一体全体なんていう国でしょう(笑)
ロシアというのはかなりの貧困国です。政府指導者がその貧困のガス抜きのため即ち人民に自棄をおこさせないために、意図的にウォトカを安く供出していたようです。ウォトカは牛肉より安い。だからロシア人民は飲むのです。
シニカルに申せば1917年10月の社会主義革命以後の体制だけでなく、それに先行した絶対君主制も農奴制も目一杯寿命を延ばすことができたのはウォトカのおかげとも言えるでしょう。
全国民の25%がアルコール中毒だそうですよ、よく国として機能していますネ・・・


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今日は両国に出没です。
ランチのお店を探してそぞろ歩きをしていたら「牛島神社大祭」の貼紙が目に入りこんできました。「エッ!両国も牛島神社管内なの?」って考えていたら、気がいつたらお店に吸
い込まれていました。
ということで今日のお店は「キッチン 南海」さんです。

住所: 東京都墨田区両国2-14-8
電話:03-3632-6913
定休日:日曜・祝日

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お店の外観です。

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店内の雰囲気です。

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メニューです。

本日のオーダーは「カツカレーライス+みそ汁」@680+@50=730円です。
店内にはいるとこのお店はご主人と奥様のtandem体制で切り回されていました。
奥様からはかなりの音量で「恐れ入ります、どうもすいません」の大発声が放たれ続けられています。思わず林家一門の洋食店かと身構えてしまいました。

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待つこと5分で「カツカレーライス」の着皿です。
見た目“メガ盛”でしかもかなりの”ブラックカレー”です。
カツは13カットの細切でしかも下町カツカレーのお約束の薄い肉厚です。
これは価格を抑える意味もあるのですが、ルーがカツに勝つためのintentional disadvantageなのですね。

それでは実食です。
粘度がやや高めな感じのルーは、見た目通り非常に濃厚でコクがあり、玉ネギの甘味もしっかりと感じられて美味しいです。しかもtoo hotです。
味ですか、極上の美味しさではありませんが、下町カレー独特のジャンクな味わいが横溢していてイケます。

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後半キャベツがかなり余ってきましたので、お約束のhotch potch食い(混ぜこぜ食い)です。そのためにはソース、福神漬、マヨネーズを総動員します。
あれっ、この食べ方のほう味が引き締まって数段に美味しいですね。
しまった、気取って食べなければ良かったなぁ、と思ったのですが“後の祭り”でした。

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そうそうこの豚汁ぽい味噌汁はかなりのlevelです。
すごく美味しかったですよ。

唯一の瑕瑾(かきん)は量が多すぎます。
個人的には完食はかなり厳しかったです。
でもその裏返しで、この内容で680円ならやっぱりコスパは素晴らしいと言えると思います。
ご馳走様でした

それでは(^_-)