今日は「陶芸の町益子」の話です。
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これは心霊写真ではありません。奪衣婆(だつえば)さんです、三途川(葬頭河)の渡し賃である六文銭を持たずにやってきた亡者の衣服を剥ぎ取る老婆です。奪衣婆が剥ぎ取った衣類は、懸衣翁という老爺によって衣領樹にかけられます。衣領樹に掛けた亡者の衣の重さにはその者の生前の業が現れ、その重さによって死後の処遇を決めるとされています。奪衣婆さんは閻魔大王の妻であります。

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そして奪衣婆さんの旦那様、閻魔様です。奪衣婆さん、閻魔様ともども鎮座されておられるのは西明寺です。西明寺は6万9000平方メートルの敷地をもち、特に室町時代に建てられた楼門と関東四大名塔に数えられる三重塔は国指定重要文化財として見応えがあります。坂東第二十番札所でもあります。
最初のパチリの閻魔様ですが、笑っておられますね、全国でも笑っている閻魔様は珍しいのですよ。ちなみに二枚目のパチリは閻魔様の審判の場面です。見ておわかりの通り右側が天国、左側が地獄への誘(いざな)いです。ここで一生懸命お祈りをすれば、あの世でご多幸があるとされています。

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栃木県は益子町に奥様と夏休みの観光できています。益子町は益子焼を主力産業として、年間約180万人の観光客で賑わっている街です。 現在窯元や陶芸販売店の数は約350軒にのぼるほどです。
「アド街ック天国」栃木益子編を参考にして来ました。ONAIRでは清里みたいな感じがしたのでとても楽しみにして来たのですが、来てみましたら極めて残念な街だったのですね。
まず街の観光案内、観光mapがありません。よって私達みたいなさりげない旅人は、完璧に放浪者状態になってしまうのです。仕方なく陶芸販売店で二三のアド街spotを聞けば、そんなの知らない、分らない、との冷たい対応です。うろうろしていても仕方ないので、アド街spotをgoogleで探してから出向いたのですが、何でこんな所を紹介するのって感じです。
まあこれは益子町が悪いのではなくテレビ東京さんの過大演出によるところなのでしょう。もう少し背丈に合わせた放映をしてもらいたいと思う今日この頃です。

ということで今日のお店は蕎麦の町でもある益子町top1に君臨する「炉庵」さんの暖簾をくぐりました。

住所: 栃木県芳賀郡益子町益子3580-2
電話:0285-70-1068
定休日:不定休

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お店の外観です。

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店内の雰囲気です。さすがにtop1のお店ですね、満席です。

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私のオーダー「手打ち十割そば」@900です。
十割そばってつなぎなしで作るものですから普通はボツボツしてしまうのです。
炉庵さんは、南会津地方に伝わる郷土そば『裁ちそば』の技法を手本にしてこのボツボツをクリアしました。そして作業の効率などから試行錯誤の末、現在の打ち方になったそうです。
蕎麦打ちは、折り目からだと切れてしまうので、折を少なくするため50cm×2mぐらいに細長くのしていく等、工夫した打ち方をしています。
最大の特徴は、風味を保つように、水ごねをするところです。そば粉が良いので可能だそうです。さらにボツボツ感が気にならないように細めに打つという工夫がなされています。
味ですか、美味しすぎます。蕎麦は蕎麦の香りが最大の美味しさだというのを実感しました。

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奥様のオーダー「ちたけそば」@950です。
ちたけとは夏きのこの一種です。もともと生をさくと乳白色の汁が出ることから乳たけ(ちちたけ)と呼ばれていたようです。八溝山地から福島県にかけて珍重され時には松茸より高値がつくこともあります。風味豊かなだしがとれ、うどん・そばどちらとの相性も抜群です。
味ですか、最高です。ちたけの風味がそばによくあい深みがあります、美味しゅうございました。

結局、益子の悪印象はこの蕎麦で払拭され、結果良しの旅となりました。

それでは(^_-)