今日は「京都人のイケズ」の話です。
両親は共働き。しかも土日のない仕事。年の離れた兄は変わり者で相手にしてくれない。妹を苛めるにも飽きると、寂しかった弟は某親戚の家にしょっちゅう遊びに行っていました。そんなある日、親戚宅でお昼時を迎えて叔母が食事について尋ねたそうです。「おソーメンでええか?」。ええもなにもかも彼の前に五分とたたず素麺を盛った鉢が置かれたので、いやだと言っても「これしかなかったわ」ということだったのでしょう。ともあれ食卓についた弟ですが、麺を浸す汁(つゆ)がないのに気がつきました。
「たんとおあがりやす」
うながされて「そやけどおだし、、、があらへん」と訴えた彼に叔母がにっこりと答えます。
「そやから、たーんとおあがりやす」
ようやく異変に気づき、弟は逃げて帰ってきたといいます。

「イケズの構造」入江敦彦著より転載
これは著者の弟さんが叔母さんにお昼時の迷惑からとられたお仕置きなのです。しかし手が込んでいますね、京都人は「お昼時は避けてね」とか「お昼時に来るときは前もっていってからきてよね」ということを敢えて避けて、このように骨身に沁みいらせる行動に出るのです。私の認識は、京都人はいい意味での自己至上主義で、それが侵されるとき、「イケズ」に走ります。それに自らの「損得」に敏感で、それが侵されたときも、「イケズ」に走ります。先の大戦は「応仁の乱」といいきる京都人は、11年に亘る「人の世、虚し」という戦乱から虚無感を植えつけられ、イケズの骨格になったと思うのですが…
そういう意味では、猫の目のように長年に亘って政権が変わった中国人と同様の匂いを嗅ぎ取ることができます。

今日のお店は神田「麺屋武蔵神山かんざんラーメン」さんです。私このお店有名店なのに行列がないなといつも思っていたのですが、店内で行列ができていたのですね、まったく知りませんでした。

住所: 東京都千代田区内神田3-8-7
:03-3256-3634
定休日:無休

麺屋武蔵神山1
お店の外観です。号の「神山(かんざん)」は、移転前の麺屋武蔵青山の「山」と新天地神田の「神」から取ったそうです。「神の山」とのことで、富士山が店舗にかかれています。

麺屋武蔵神山2
店内の雰囲気です。私の大嫌いな厨房スタッフ全員でのご発声の湯切りです。なんでこんなパフォーマンスするのでしょう、五月蝿いし、厨房スタッフの唾が飛散して不潔です。個人的には、“食べ物屋さん”は美味しいものを作ることに専心して、黙して余計なことはせずにちゃっちゃっと調理することだと思うのですが…

麺屋武蔵神山3
今日のオーダーは「らー麺」@750です。
スープは豚骨魚介系のダブルスープでどちらかというと魚介系が勝っています。スープの温度はお約束の熱々というか、火傷寸前の熱さです。中太ストレートの麺は、風味・弾力・食感もいけますね。具は、ジューシー、ホロホロ、トロトロの角煮、太めのメンマ、すこしヘタッタ刻みネギです。全体として完成度が高いラーメンですが、私は好きではありません、何故ナンだろう?
多分それぞれのパーツパーツが際立ちすぎて、全体のハーモニーが無いように感じるからだと思います。

それでは(^_-)